QOMLとは「quality of my life」の意味で、超過労働が続く医療の現場から医師が、自分の生活や家庭を大切にしたいという気持ちからワークススタイルの変革や転職をしようとする動きが出ている。 (JNEWSについてトップページ
医師に起きるフリーランス化の動きとQOMLの価値観

JNEWS
JNEWS会員配信日 2011/5/4

 医師の働き方といえば、病院に勤務しているか、自分でクリニックを開業するのが一般的だが、最近では、そのどちらにも当てはまらない「フリーランスの医師」が増えてきている。勤務医の世界では、超過勤務が当たり前で、自分の健康を害してしまう人も少なくない。そうかといって、開業するには億単位の資金が必要になり、誰でも独立できるわけではない。


そこで、医師達の間に「QOML(quality of my life)」という考え方が浮上してきた。これは、人生や生活の質を重視した働き方を目指すもので、具体策として、超過勤務をすることが無く、開業による多額の借金も抱える必要が無い、フリーランス医師として活動することが、家庭と仕事を両立させたい医師を中心に広がっている。

フリーランスといっても、アルバイトで依頼を受けた病院に勤務するのが主流。つまりは、医師のフリーターというわけだが、彼らの時給は1万円前後というのが相場で、1日10時間の勤務なら10万円になる。月に10日間働くだけでも年収1千万円を超す計算だ。

ただし、フリーの医師を継続していくためには幾つかの課題がある。一つは、特定の所属先が無いために、最新の医療技術や知識を独力で身につけていく必要があること。もう一つは、アルバイトの職探しも自分で行わなくてはいけない点などだ。

それでも、フリー医師が、一般的なフリーターや派遣社員と異なるのは、常に最新の知識を入手できる学会組織や、出身大学からの人脈による勤務先の紹介ルートが存在していることである。“病院”という組織に所属しているか否かに関わらず、“個人”の立場で参加できるネットワークが形成されていることは、コワーキングに相当するものといえる。

《医師の世界における人脈ネットワーク》

フリー医師が増えていることは、女性の医師が増えていることと関係している。1965年に女性医師の割合は、医師全体の 9.3%であったのに対して、2008年には18.1%(5.1万人)にまで上昇している。

これにより、家庭を大切にしたい女性のフリー医師が増加したことに加えて、男性医師の中でも「病院内で出世すること」に見切りを付けて、フリーとして独立する人達が出始めている。特に、外科手術をする際に不可欠な「麻酔医」については、空前の売り手市場になっており、フリーになることで勤務医の時代よりも、年収が2倍以上になることもある。

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

JNEWS会員レポートの主な項目
・スウェーデン企業、イケアにみるコワーカーの台頭
・世界で増えるコワーカーの特徴と、彼らに向けたオフィス事業
・世界で増えている非正規労働者の実態
・欧州のパートタイム労働者推移
・飲食店を改装したコワーカー向けオフィス
・震災を契機としたフリーランス人材の活躍
・震災が引き起こしたフリージア革命
・医師に起こるフリーランス化の波
・医師の世界に広がるQOMLの価値観
・リアルコミュニティとして広がるコワーキングのオフィス形態
・安全志向で増えるチキン起業とパートタイムビジネスの接点
・モノ作り立国の頭脳となる研究者の育成と資金調達ルート
・ネットビジネスの現場で調達されるオンデマンド労働者の実態
・労働時間をプールして自由に引き出せる時間貯蓄の働き方
・クラウドワーカーが変えていく労働市場と社会事業の方向性

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2011.5.4
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ

この記事に関連したJNEWS会員向けバックナンバー
玉石混淆の健康サービスが生き残る医師との協業ビジネス
ITで付加価値を高める高度人材の特徴とワークスタイル
雇われない働き方へと移行する頭脳をウリにしたプロ人材
患者の懐具合によって決められる医療サービスの松・竹・梅
サラリーマンからフリーランスへと転身するプロの中間管理職
会社経営者より高収入を稼ぐフリーランサーの知的資産管理術


(健康関連ビジネス)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2011年5月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
無料体験の登録でJNEWS LETTER正式版のサンプルが届きます。
 
Page top icon