コミュニティキッチンは、独り暮らしで誰とも話をせずに食事をする人や、料理を学びたい人などが定期的に集まり、皆で料理を共にしながら仲間を作り、交流を深めていくコミュニティ形態として注目されている(JNEWSについてトップページ
料理を起点に形成されるコミュニティキッチン

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JNEWS会員配信日 2019/10/16

 日本では、栄養に配慮された温かい食事を無償または安価で子ども達に提供する「子ども食堂」が全国的に広がっているが、それに類似する活動として、海外には「コミュニティキッチン」の活動がある。これは、非営利のグループが学校、教会、空き店舗、公共施設などを会場として定期的に集まり、皆で調理した食事を共にしながら交流を深めることを目的としている。

もともとは、ホームレスや失業者を支援する目的の活動だったが、近年では、独り暮らしで、誰とも話をせずに毎日の食事をする人(孤食)が増えていることから、経済的に苦しい人だけでなく、あらゆる階層の人達が食事作りを通して仲間を作るための地域コミュニティとしても注目されはじめている。

たとえば、妻を亡くした高齢男性の中では、自分で料理をした経験が無く、不健康な食生活に陥ることが多いが、コミュニティキッチンに参加することで、健康に良い食事の知識や料理の方法を学びながら、仲間作りができる。

コミュニティキッチンの運営は、大半が非営利であり、食事の準備、調理、配膳、後片付けなどの労力は、すべてボランティアとして行われる。食材の調達についても、企業や個人から寄付金を集めたり、食品の現物支給を受けることで運営が成り立っている。食品関連の企業にとっては、食材の寄付をフードロス対策の活動ともリンクさせている。

《コミュニティキッチンの運営モデル》

コミュニティキッチンの具体例として、オーストラリアの非営利団体「セントヘレンズネイバーフッドハウス」では、毎週水曜日の午前中に地域住民を対象としたクッキングクラブを開催している。

参加者は男女同数のグループ分けがされて、メンバーが好きなメニューの計画を事前に立てた上で、当日は食材の買い出しから調理、完成した料理の試食、片付けまでを協力して行う。料理の指導をするのは、コーディネーター役となっているメンバーだが、コーディネーターになるためのトレーニングプログラムも用意されている。毎週開催されるクッキングクラブの中で、各メンバーは料理のスキルや、限られた予算の範囲内で栄養価の高い食事を作るアイデアなどを学ぶことができる。そして、毎回の参加を通してメンバー同士の信頼関係を築けるのが最大のメリットである。

■クッキングクラブの紹介映像

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