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永住権獲得を目的とした中国エリート人材の移住行動

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JNEWS会員配信日 2023/3/26

 中国人の海外旅行目的として、コロナ前よりも急増している行動に「移住(移民)の候補地を見つけること」がある。中国政府のゼロコロナ政策では、何度も不意打ちの都市封鎖が行われたため、そのエリア内の住民は、仕事に行けずに失業したり、感染者の隔離施設を作るためマンションを強制退去させられたり、ペットが殺処分されたりしたため、国民の不満はピークに達していた。

そのため、2022年4月に政府が「ゼロコロナ政策を堅持する」と発表した時には中国SNS(WeChat)や検索サイト(百度)などで「移住」関連の検索回数が2800%増と爆発的に上昇した。また、若者の中では「逃げる勉強」がバズワードとなり、Q&Aコミュニティの「Zhihu」では、大学の留学プログラムや、移住がしやすい国の議論されて、サイト登録者数が1000万人増加した。

《中国人の移民先ランキング》

中国で公開されている、1970年から2020年にかけての移民先ランキングでは、1位が米国、2位が韓国、3位が日本となっている。中国人が移住先として重要視しているのは、生活がしやすいことに加えて、長期滞在のビザや永住権が取得しやすい国であることだが、米国はトランプ政権以降、国際移住者の受け入れを制限していることから、近年の移住先では米国からアジアの回帰が起きている。

韓国は2010年に投資移民政策を打ち出したことで、人気の移住地となっている。
この政策では、観光地として人気の高い済州島(チェジュ島)に外国人が5億ウォン(約5000万円)以上の不動産を購入すると、移住者の家族全員に居住権が与えられて、5年以上韓国に滞在すると永住権が与えられる。永住権の取得後は、不動産を売却しても永住資格には影響しない。そのため、2010年以降は、中国人富裕層の不動産購入が10倍以上に急増した。

中国と韓国は地理的に近く、時差の問題もなく、生活習慣も似ていて、教育や医療は先進国レベルであることから、一定以上の貯蓄を持つ中国人富裕層にとっては、最も移住がしやすい国となった。もともと済州島には大きな産業が無かったが、この投資移民政策により、島の観光投資が進み、韓国と中国との貿易取引も増える効果が出た。しかし、済州島全体の不動産高騰と乱開発が問題となったことから、現在は投資の受け入れが抑制されている。

■済州島の紹介映像(クラブツーリズム)

日本でも外国人の移民政策は緩和されており、教育、技術開発、経営管理などの分野で高度外国人材としての認定を受けると、日本での永住権が取得しやすくなっていることから、中国人エリート人材の移住者は増えている。

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・コロナ後に急上昇する中国人の移民願望
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・中国人エリート層の日本移住が増える理由
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