米国で人気化するガソリン代節約アプリの仕組みと収益構造
2022年以降は、世界的にエネルギー価格が高騰していることも消費者の生活を苦しめている。米国のガソリン価格は、コロナ禍で車の移動が少なかった2020年には、1ガロン(3.7リットル)あたり2ドル前後にまで下落していたが、ウクライナ危機の勃発後は、1ガロンあたり5ドル近くまで高騰した。そのため2022年には、米国のマイカー通勤世帯が月間に費やすガソリン代は500ドルを超すようになっている。
ガソリン価格の上昇時に需要が急増するのが、全米各地のガソリンスタンド価格を検索できるサービスで、GasBuddy、Gas Guru、Gas Prices Near Youなどのモバイルアプリが人気となっている。Sensor-Towerの調査によると、これらのアプリは、ガソリン価格が高騰していた2022年2月~3月にかけて、ダウンロード数が前月比で1570%の急上昇となった。
その中でも、GasBuddyは総ダウンロード数が9000万件を超すメジャーアプリだが、全米ガソリンスタンドの価格検索ができることに加えて、GasBuddyが独自に発行する決済カード(Pay with GasBuddy)で給油をすると1ガロンあたり最大25セント(1Lあたり約9円)の割引と、近隣のスーパーや量販店での買い物が割引になるクーポンを獲得できることが人気の理由となっている。
GasBuddyでは、米国とカナダで15,000件を超すガソリンスタンドの価格情報を毎日更新しているが、これらのデータはユーザーからの投稿により集計されている。
1日あたり200~300万件のデータ投稿があるが、GasBuddyはユーザーに対する投稿のインセンティブとしてポイントを付与して、ポイントが貯まると100ドル相当の給油無料チケットが当たる抽選券と交換することができる。すべてのユーザーに給油チケットを報酬として渡すのではなく、抽選方式で投稿のモチベーションを高める方法は、限られた予算で膨大なデータを収集するクラウドソーシングの手法としても注目されている。
この投稿システムは、価格情報だけではなく、地域の様々な情報を収集するインフラとしても機能している。たとえば、ハリケーンや地震が発生した時には、ガソリンが売り切れになっていないスタンドの情報投稿をユーザーに促すことで、被災者が給油を円滑に行えるように誘導することもできる。
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