人材不足で見直される60~70代ギグワーカーの活用
人材が集まりにくい労働市場の中でも、即戦力となるワーカー層として、50代後半~70代前半にあたるベビーブーマー世代の労働力が注目される。この層は、老後の生活に不安を抱えていることから「働きたい」という意欲が若い世代よりも強いことはデータからも裏付けられている。
軽作業のギグワークを仲介する Wonolo(ウォノロ)が2019年に行った調査では、Wonoloに登録しているベビーブーマー世代(55~73歳)の31%が週3回以上のギグを行っている。この割合はミレニアル世代の週3回出勤率(22%)よりも高い。
仕事の内容も、倉庫や工場の肉体労働に積極的に参加しているため、仕事案件を獲得できる確率も高くなっている。クライアントからのレビュー評価も、5点満点中の平均4.86点で、年齢のハンディは感じさせていない。
Wonoloで稼ぐベビーブーマー世代の平均月収は 573.5ドルであり、Z世代ギグワーカーの 1.7倍を稼いでいる。この金額は、平均的な定年退職者が受け取る社保障年金の39%に相当して、2人家族が毎月の食費を賄うのに十分なものである。
さらに、仕事案件が豊富な都市圏では平均月収がこれよりも高くなり、北カリフォルニアは1003ドル、南カリフォルニアは844ドル、ニューヨークで814ドルとなっている。しかし、生活費の水準からみると、都会よりも地方のほうが暮らしやすく、インフレ以降は、生活費の安い地域へ転居するギグワーカーが増えている。
Wonoloのギグワークは、地域の小売店、飲食店、工場、倉庫業、運送業者などがビジネス会員として登録しており、スタッフが足りない時に募集をかける方式のため、ギグワーカーは自分の都合の合う日時のみ申し込むことができ、人材派遣会社に登録するよりも柔軟な働き方をすることができる。
一度出勤して気に入られた職場からは「Preferred Wonoloer(お気に入りウォノラー)」として登録される機能があり、次回以降の求人は他のワーカーよりも1時間早く情報が届く仕組みのため、リピート勤務がしやすい。申し込んだ仕事のキャンセルも、出勤の12時間以上前であればペナルティは付かないため、自分の体調や家庭の都合を優先したい60代、70代のワーカーにとっては最適な働き方となっている。
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