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米国で急成長するサブスクリプション型芝刈りサービス

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JNEWS会員配信日 2022/10/9

 日本の草刈り代行業に類似した市場として、米国では庭の芝刈りに対する需要が高く、代行サービスの市場が形成されている。米国の戸建住宅では、芝生のある庭が標準仕様となっており、手入れが行き届いていないと自治会から注意されたり、罰金を払うルールがある。そのため、戸建住宅のオーナーは定期的に芝生のメンテナンスをする必要があり、月間に平均100~200ドルの費用をかけている。

そのため、各地域で芝刈り代行サービス(Lawn care services)が成り立っているが、その中でも急成長しているのが、個人の芝刈り作業者を仲介するマーケットプレイスの業態である。2012年にテネシー州ナッシュビルで設立された「GreenPal(グリーンパル)」は、芝刈りサービスを創業した後、大手造園会社へのバイアウトに成功した起業家が、次の事業として「芝刈り業界のUber」を目指して立ち上げられた。現在は全米各州の主要都市で仲介サービスを展開して、100万人を超す住宅オーナーと、約15万人の作業者(ベンダー)が会員登録をしている。

GreenPal

GreenPalの利用は、自宅近隣でベンダー登録している芝刈り作業者の中から5件を選出して相見積もりを取得した後、利用者のレビューも確認して最終的な依頼先を決められる。見積もり料金は、芝生の広さ、芝生が成長する高さ、現場までの移動距離などの条件で算定されるが、戸建住宅の1回あたりの作業は35~40ドルが平均相場になっている。ただし、ベンダーの作業依頼は単発ではなく、毎週、隔週、10日毎などの定期契約になっている。そのため、ベンダーはクライアント数を増やすことで、毎月の安定収益を見込めるのが特徴だ。

GreenPalへのベンダー登録条件は、米国の運転免許証、社会保障番号、銀行口座を取得している18歳以上で、保有している草刈り機(商用レベル)と作業実績の写真などを提出して審査に合格すれば、プロの芝刈り代行者として開業することができる。GreenPalのアプリには、芝刈りサービスの他にも、庭木の剪定、草刈り、落ち葉の除去などの追加メニューが用意されているため、2回目以降の訪問で、クライアントとの信頼関係が出来ると、複数の作業依頼で客単価を伸ばしていける。

芝生は春から秋までが生育期となり、刈り込みのメンテナンスが必要だが、冬は休眠期に入るためオフシーズンになる。そこでGreenPalは、冬には除雪代行のサービスメニューを作ることで、年間を通したクライアントとの関係を築けるようにしている。ただし、1ヶ月に3件以上の利用者から苦情が申し立てられた場合には、罰金が科せられるペナルティ制度もあり、ベンダーのレベルを落とさない配慮もされている。

《GreenPalのサービス体系》

GreenPalは、現場での作業が終了して料金確定した売上の5%を手数料(決済手数料2.9%は別)として徴収することで収益を得ている。創業当初は、登録してくれるベンダーを探すのに苦労していたが、個人広告サイトのCraigslistに出稿しているすべての芝刈り業者に電話をかけて、売上を伸ばす方法を助言することで登録業者を増やしていった。

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