店員がライバーを演じる中国ライブコマース市場
ネットで便利に買い物ができる時代でも、消費者はリアル感のある買い物体験に魅力を感じている。特に中国の消費者は、コロナ禍で海外への買い物旅行ができないことにストレスを感じており、現地店舗からのライブ配信で買い物をするライブコマースが爆発的に普及してきている。
中国では、2016年にアリババが運営するショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」がライブ配信機能(Taobao Live)をリリースしたことで、現地店舗から生配信される映像を見ながらショッピングをするスタイルに火が付き、コロナ禍でブーストがかかっている。
マッキンゼーのレポートによると、中国のライブコマース市場は、2017年から2020年にかけて年率280%以上で成長しており、2022年には4230億ドルの売上高が見込まれている。ライブコマースで販売される商品は、アパレル、ファッション、化粧品などの美容用品が全体の4割を占めているが、それ以外でもライブコマースの成功例は増えている。
■How live commerce is transforming the shopping experience
タオバオの発表によると、2020年にはコロナ禍によるロックダウンの影響を受けた多数の小売業者がライブコマースに着目するようになり、ライブ配信をする開始する加盟店の数は前年比で719%増加した。
その中でも、中国の家具小売業界で2番目のシェアを持つ「Easyhome」では、220以上ある各店舗の従業員が1ヶ月間で4810回のライブ配信を行い、358万人の消費者が視聴した。ライブ配信による売上は4億8000万元(約72億円)と推定されている。
中国全土で4000店舗を展開する靴小売業者の「Red Dragonfly」でも、ロックダウン中は、ほとんどの店を閉めることになったが、わずか7日間で4000人いる従業員を500以上のグループに再編して、Taobao Live活用方法やチャットによる接客のトレーニングした後、ライブ配信を行うことで、販路をオンラインに移行することに成功した。そこでは、従来の店員とは異なるライブ配信者(ライバー)としての資質が求められるようになっている。
また、中国の自動車業界でもライブコマースの活用が進んでいる。アウディ、ボルボ、マセラティなどの高級輸入車も含む40以上のメーカー系ディーラー(約1000店舗)でライブ配信が行われており、新型車の発表会に加えて、視聴者限定の割引即売会も行われている。視聴者の中で購入予約者が一定数まで集まれば、割引率が高くなる共同購入方式とすることで、ライブ配信のイベント性を高めている。
(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2022.9.6
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ
■この記事に関連したJNEWS会員向けバックナンバー
・衰退小売業から高級品リユースビジネスへの事業転換
・リモートセールスによる見込客開拓と営業代行の新形態
・海外富裕層向けパーソナルショッパーとライブコマース
・コロナ禍で成長する不動産販売の個人エージェント業
・洋服選びをサポートするパーソナルショッパーの独立開業
※バックナンバー用ID、PASSWORDを入力してご覧ください。
(海外ビジネス事例)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)
これは正式会員向けJNEWS LETTER(2022年9月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。