出張とレジャーを兼ねたブレジャートラベラーの開拓
ビジネスパーソンにとって、出張旅行は楽しみの1つになっていることから、コロナの制限解除後は、出張日程の一部にレジャーを取り入れた旅行が流行ることが予測されている。これはビジネスとレジャーを融合させた「Bleisure Travel(ブレジャートラベル)」という新カテゴリーの旅行として注目されている。
企業にとっても、普段は忙しくて休暇を取りにくい社員に対して、出張に有給休暇を加えた日程を与えることは、有意義な福利厚生となり、仕事のストレス解消や離職率を下げる効果が期待できる。
日本では2019年から労働基準法が改正されて、会社が従業員に対して年5日以上の有給休暇を確実に取得させることが義務化されたが、ブレジャートラベルは有給消化率を高める面からもメリットがある。旅行業界にとっても、出張旅行者が楽しめるレジャーのメニューを用意することは、旅行の滞在日数を伸ばして、現地での支出額を増やすことに役立つ。
米国や中国では、頻繁に出張をするビジネスパーソンの中からブレジャートラベルの人気が、2015年頃から高まっている。典型的なのは、3日間の国内出張+2日間の有給休暇と土日を加えた1週間の旅行日程で、ブレジャーを楽しむようなプランだが、旅行予約サイトの「Expedia(エクスペディア)」では、ブレジャー旅行者の特性を詳しく分析している。
それによると、主なブレジャー旅行者層は、年間に平均6回以上の出張をしているビジネスパーソンで、平均3日間の出張日程に2~3日のレジャーを追加している。主な活動は、グルメ、観光地や旧跡の探索、美術館の見学、屋外レジャーなどで、死ぬまでにはしてみたい体験(バケットリスト)をブレジャーの中で実行する人もいる。これらの活動は、1人での現地行動が6割を占めている。
■Unpacking Bleisure Traveler Trends(Expedia)
レジャー部分の費用は、出張経費とは別に自費で捻出しているが、現地からの移動や宿泊代の追加となるため、完全なプライベート旅行よりも、観光やレクリエーションに予算を投じやすいのが特徴である。出張の7割は、定期的な会議やミーティングへの出席であるため、現地の旅行業界では、繰り返し参加することで楽しさが増していくようなレジャー体験を提供することが、ブレジャー需要を高めることに繋がっていく。
また、現地でどんなレジャーを楽しむかは、プライベート旅行のように綿密な計画を立てるのではなく、出張の数日前または現地に着いてからネットで検索する割合が68%となっていることから、ブレジャートラベラーの集客には、ネットでの情報発信が重要になる。英国の経済誌「The Economist」では、2019年にアジア太平洋地域でブレジャーに適した都市ランキングを発表しているが、その中では東京が1位にランキングされている。
■2019 BLEISURE BAROMETER Asia's best cities forwork and recreation
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