コロナ感染対策からの在宅勤務導入によりオフィスの実稼働率は下がっていることから、これを転機として、オフィスの費用対効果を見直す企業は増えてくることが予測されている(JNEWSについてトップページ
在宅勤務で再考されるオフィスの役割と費用対効果

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JNEWS会員配信日 2020/3/31

 コロナショックによって直近で影響を受ける不動産物件は、小売店や飲食店が入居する商業施設とみられているが、その次には、企業が入居するオフィスの面積縮小が懸念されている。東京の企業は、個別のデスクと共用部分を含めて、従業員1人あたり平均で約3.8坪(12.5平米)のオフィススペースを確保している。
つまり、100人の従業員が働く企業では、380坪のオフィス面積を賃借していることになり、毎月1,000万~1,500万円もの家賃を払っている。

《東京主要5区のオフィス相場(200坪以上)》

しかし、感染対策から在宅勤務を導入する企業は増えて、オフィスの実稼働率は下がっており、家賃を無駄に払い続けている状況である。これを転機として感染が収束した後にも、通勤と在宅勤務制度を併用することで、オフィスの費用対効果を見直す企業は増えてくることが予測されている。

たとえば、1週間を「通勤4日+在宅勤務1日」で従業員全体の勤務シフトを作ると、オフィス面積の20%を縮小することが可能になり、毎月1000万円の家賃を払っている企業では、月額200万円、年間で1200万円のコストを削減することができる。さらに在宅勤務を週2日に増やせば、家賃の40%を節約することも可能になる。

《在宅勤務とオフィス家賃の軽減効果》

このような考え方は、日本支社を設けている外資系企業ではコロナ危機の前から浸透しており、都心の一等地にオフィスを設ける一方で、オフィス面積は社員数の5~7割程度に抑えているケースが少なくない。もともと、海外本社とのコミュニケーションをオンラインで行っている外資系企業にとって、在宅勤務は馴染みやすいためである。

 在宅勤務を導入する欧米企業は、従業員1人当たりのオフィス面積を削減して家賃や光熱費などの経費を減らす一方で、自宅でリモート環境を構築するための在宅勤務手当を支給することが進んでいる。情報漏洩防止の観点からも、在宅勤務で使うPCや通信料金は、会社が負担すべきものであり、その費用を捻出するためにも、オフィス家賃を節約する努力は必要になってくる。

その上で、オフィスの使い方は、従業員に限定した企業内コワーキングスペースのような形へと進化してきている。他の社員との打ち合わせや対面コミュニケーションが必要な場合に、オフィス内の希望スペースを事前予約して使用するスタイルで、「Office Hoteling(オフィス・ホテリング)」とも呼ばれている。

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