仮想空間で生活費を稼ぐ労働者とPlay-to-earn経済
仮想空間で過ごすメタバースの世界では、デジタルで発行される様々なアイテムが売買される。その交換通貨として活用され始めているのが、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨である。既にメタバース空間では仮想通貨が稼げるようになっており、労働者の働き方にも変化が起きている。
ベトナムのスタートアップ企業が2018年にリリースした「Axie Infinity」は、仮想通貨(トークン)を活用したオンラインゲームで、公式マーケットプレイスにある「Axie(アクシー)」というモンスターを、防御力や攻撃力が異なる中から3体選び、仮想通貨のイーサリアムで購入して、対戦相手と闘っていく。対戦に勝てば、このゲームのみで発行される「Smooth Love Potion(SLP)」というトークンを稼ぐことができる。SLPは、仮想通貨取引所で売買ができるため、デジタル通貨としての価値がある。
また、SLPを使ってアクシーを繁殖させて、系列の遺伝子を引き継いだ子を増やしていくこともできる。たくさんのアクシーを持つほど、エネルギーの回復効率を高めることができるため、大量のSLP通貨を稼ぐことに役立つ。同ゲームのアクティブユーザー数はコロナ禍で急速に増えており、1日あたり185万人がプレイをしている。
ゲーム上で仮想通貨を稼いで生活していくことは「Play-to-earnエコノミー」と呼ばれ、新興国では、低賃金で働くよりも高収入を得られる方法として、オンラインゲームを本業とする人達が増えている。フィリピンでは、Axie Infinityを生活費稼ぎのためにプレイする人が増えており、フィリピン財務省はゲーム通貨に対する税金徴収を強化しはじめている。
フィリピンの平均月収は約2万ペソ(約5万円)の水準だが、Axie Infinityの上位プレイヤーは、1日あたり1,500SLPを稼ぐと言われ、これは現在の仮想通貨相場で約12,000円の価値になる。フィリピンでは若年層の失業率が高くて、失業者全体(約240万人)の中で、15歳~34歳までの割合が8割を占めており、高学歴者ほど就職先が見つからない状況になっている。そのため、国民の10人に1人が国外に出稼ぎに出ているが、メタバースの仮想空間には、出稼ぎよりも高収入を得られる道がある。
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