代替投資対象として注目されるLEGOコレクション
個人副業者の転売に適した商材はニッチなコレクション分野でも発掘することができる。成功に必要なのは、その分野の商品知識が豊富なことであり、自分が興味のある商材でなければ、オタク的な知識を深めていくことはできない。
海外ではブロック玩具の「LEGO(レゴ)」もコレクション投資の対象として注目されている。LEGOシリーズの中には、映画やアニメキャラクターのライセンスを受けた限定セットが不定期で発売されるため、希少性が高いセットを購入して、人気が上昇したタイミングで転売するやり方である。
たとえば、映画スターウォーズのライセンスによるLEGOキットは総じて人気が高く、2007年に発売された「スターウォーズ UCSミレニアム・ファルコン(10179)」は、当時の定価が500ドルだったが、現在は未開封の新品で約4000ドル(44万円)、中古品でも1000~3000ドル(11~33万円)の価格で取引されている。LOGOの限定モデルは、地域(国)によって発売数が異なるため、日本で購入した商品を相場が高い他国のファンに転売する方法もある。
LEGOの再販価値は下手な金融商品よりも高く、投資対象になることが金融経済学の観点からも研究されている。ロシア国立研究大学高等経済学院の准教授が2018年に発表した論文「The Toy of Smart Investors(賢い投資家のおもちゃ)」では、1980年から2015年に発売された2000種類のレゴセットが、オークションやマーケットプレイスの二次市場で、どのように価格変動しているのかを調査している。
この論文によると、レゴの限定シリーズは絶版になると、二次市場での相場が上昇する性質がある。年間の平均上昇率は11%となり、株式や金の平均リターン率を上回っている。この特性を理解すると、レゴは金融市場の下落リスクをヘッジする代替投資の対象として有望と指摘している。
これまでにも、美術品、骨董品、宝石、高級ワイン、クラシックカーなどが代替投資の対象となってきたが、いずれも高額の商材であり、投資できるのは一部の富裕層に限られていた。しかし、レゴの単価は安価なため、一般の個人投資家の代替投資としても適している。それが買い手の下支えとなり、相場が下がりにくいことに貢献している。
もともと、玩具はコレクターズアイテムとして人気があるが、レゴの販売サイクルは短く、次々と新作をリリースしているため、店舗の棚から在庫が消えてしまうと、二次市場でしか入手することができなくなる。時間の経過と共に、未開封のまま流通するセットは更に少なくなるため、希少性が高まると同時に、コレクターの欲求を刺激することが投資対象になる要因として挙げられている。
一方、レゴの知名度は世界的に高く、大人の愛好者も多い。コレクターの多くは30~40代で、子供の頃に憧れたセットを探している。そのため数十年前に発売された懐かしい大型のセットには高値が付く。レゴ社も、その特性を把握しており、1作品あたりの販売数を増やし過ぎないことで、過去作品の希少価値を高めている。
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