壊れたバイクを再生するレストア趣味からの副業
JNEWS会員配信日 2016/5/7
記事加筆 2021/9/1
老朽化や故障して動かなくなった自動車やバイクを修復して、完動車の状態に再生することは「レストア(restore)」と呼ばれている。ヤフオクでは、レストアのベース車両となるような故障車が出品されているため、それらを落札して完動車の状態に戻すことは、趣味として人気が出始めている。
初心者が低予算でスタートできるものでは、車検制度が無く、構造が簡単な低排気量の旧車バイクがお勧めだ。ヤフオクで「レストアベース+バイク」の検索をすると、故障して動かないまま放置されていたバイクが、数万円程度で多数見つけられる。
その中でも、ホンダが昭和40年代から発売して、現在も新車の生産が続けられている原付バイクの「モンキー」は、レストア車両としての人気も高い。国産のバイクであるため、日本語の整備マニュアルと、純正パーツ、カスタム用の社外パーツも豊富で、入手しやすいのが理由のようだ。
さらに、モンキーの実動車は中古市場でも、新車とそれ程変わらない価格で取引されているため、不動車のレストアに成功すれば、中古製品としての価値を高めることができる。
■ホンダ・モンキー
※50ccモンキーは2019年9月に生産終了。 最終モデルとなった50周年アニバーサリーモデルにはプレミアが付き、2021年時点では110万円前後で取引されている。
■モンキーの中古相場(平均価格:48.7万円)
※モンキー不動車の取引相場:5~10万円
※出所:中古バイク検索サイトWebike
故障したまま長期間放置されたバイクの修復を業者に頼めば、高額の費用がかかるが、個人がDIYで直すためのパーツは、1個あたり数百円から数千円で調達することが可能だ。アマゾンを検索すれば、様々な新品パーツを購入することができるし、中古パーツを専門に扱う通販サイトも充実してきている。
個人のレストア作業は、あくまで趣味の領域ではあるが、作業の工程を動画で公開することで、大量のアクセスが集まり、広告収入を稼ぐことができたり、再生したバイクを売却することで、趣味から副業へと飛躍している例もある。
《個人がバイクのレストアにチャレンジする目的》
・修理をしながらバイクの構造を覚えられる
・趣味用・通勤用のバイクとして活用する
・レストアの過程をブログやYouTubeのコンテンツとして公開(広告収入)
・レストアしたバイクを売却して利益を稼ぐ
・他ユーザーからの修理依頼を受けることによる副業
【高騰するジャパニーズ・クラシックカーの価値】
こうしたレストア愛好者の盛り上がりは、既存の自動車・バイク業界にとってもプラスの効果が期待できる。レストアのベースとなる故障車の取引相場も、ブームが起きる前は、廃車価格として5千円程度でしかなかったが、近頃は、ホンダ・モンキーの不動車(故障車)が10万円前後にまで上昇。さらに、本格的なレストアの対象となる、大型バイクや四輪車でも、過去の人気車は、廃車同然となった車でも価値が高騰している。
その要因として、欧米で起きているクラシックカーブームの影響も大きく、日本の旧車もコレクションの対象になってきている。米国では、排ガス規制などの理由から、他国からの中古車輸入を規制しているが、車歴が25年以上を経過した車はクラシックカーの扱いとなり、その規制から外される。
そのため米国では、1990年以前に発売されたジャパニーズ・スポーツカーの人気が高まっており、米国での需要と連動して、日本国内でも該当車種の相場が上がっている状況だ。既に、程度の良い中古車は高くなってしまったが、壊れたまま放置されている車両を見つけて修復できれば、面白い趣味からの副業になる。
米国では、自動車やバイクのレストアが、工業デザインアートとしての芸術性を高めており、その技術が学位の対象としても評価されるようになってきている。レストア技術を教えるスクールビジネスも成長して、通学型のスクールに加えて、eラーニングでレストア工程を学習できるカリキュラムも充実してきている。
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