大手リユース業者の弱点を突く無店舗バイヤー開業
リサイクルショップの商品買取ルートには、店頭、宅配、出張、法人仕入などがあるが、どんな中古品が買い取れるかは顧客次第のため、大手業者の中ではカテゴリー別のリユース専門店を複数展開することで、買い取りの機会を増やそうとしている。
サービスの充実度では、大手リサイクルショップの優位性は高いものの、顧客はすべての面で満足しているわけではない。利用者から最も指摘されているのは、「買取価格が安い」ということで、何でも買い取りができる大手業者ほど、買取相場は安くなるのが特徴だ。
これは、店舗、従業員、倉庫、広告費などにかかるコストが高いことや、長期在庫を抱えやすいことが理由であり、大手リサイクルショップでは、再販する店頭価格の1~3割を買取り値の基本としている。各社の売上高に対する買取仕入の原価率を計算してみると、ハーオフは33.5%、トレジャーファクトリーは40.6%だが、この数字には売れない在庫の買取額も含まれるため、顧客に提示される実際の買取価格はこれよりも低い水準になる。
上記の理由により、中古品の買取交渉は大手業者だから有利ということは無く、中小の買取業者は、店舗や人件費などの固定費が低いことを強みとして、大手よりも高い買取査定額を出すことで、少しでも高値で売却したい顧客層を獲得することができる。この層は、頻繁に中古品の売り買いをするため、信頼関係を一度築けると、固定客として定着する特性がある。
株式会社ジラフが運営する「ヒカカク!」は買取業者専門の比較サイトで、スマートフォン、腕時計、楽器、ゲームソフト、ゴルフクラブ、電気工具、自動車、バイクなどを買い取りする業者の口コミレビューが掲載されている他、最大20社までの一括査定を申し込むことができる。現在は月間80万人以上のユーザーに利用されている。
ヒカカク!への買取業者としての登録は、古物商免許を取得していれば無店舗の個人事業者でも可能で、初期費用は32,780円、月額利用料はかからず、査定依頼の送客1件につき22円~の手数料を払う仕組みになっている。
査定依頼を受けた買取業者(バイヤー)は、送信された商品情報と画像から仮査定の金額を返信した後、依頼者が売却の意志を示せば、商品を宅配便で発送してもらうか、出張買取で本査定をした後に、売買を成立させる。リユース品の買い取り交渉は、査定額の競争だけではなく、対面で伝わる業者の信頼性や商品知識の深さなど、依頼者は総合的な判断によって売り先を決めている。
無店舗でも、SNSなどで専門性の高い商品知識を発信しているバイヤーには多くのフォロアーが買い手見込客として付いているため、ライバル業者よりも高値で買い取りをしても商品を短期で売却することができ、売り手、自分、買い手の3者でWin-Win-Winの関係を築くことができる。
ただし、比較サイトを利用して集客する欠点は、査定依頼の中で売買成立するのは何割かの確率に限られるため、査定依頼の件数が多くて見積作成の負担が重いわりに、実利益は少ないことだ。理想は、自分のフォロアーやメルマガ読者の中だけで、売り手と買い手を見つけられる形である。
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