電子チケット販売プラットフォームの「ZAIKO」では、ライブ配信チケット購入者の購買特性を分析。チケットの購入経路はアーチストの公式サイトよりもTwitterルートが主体で、当日購入者の割合が高いのが特徴。(JNEWSについてトップページ
有料オンラインライブのチケット購買特性について

JNEWS
2020/9/15

 コロナ禍では多数の音楽イベントが中心となり、アーティストのコンサート活動もライブ配信に活動を開こうとしている。その中、電子チケット販売プラットフォームの「ZAIKO」では、コロナ禍以降(2020年3月~8月)に開催されたライブチケット購入者の購買動向を分析したレポートを発表している。その内容からは、従来の会場型コンサートとは異なる、チケット購入の特性が浮き彫りになっている。

ZAIKOは、コロナ禍でエンターテインメント業界全体が打撃を受ける中、2020年3月6日から国内アーティストに対して有料ライブ配信機能を提供し、およそ4ヶ月間で1,500本近くのライブ配信イベントを開催、日本国内だけでなく世界30ヵ国以上のユーザーにトータルで50万枚以上のチケットを販売している。


ZAIKO

ライブ配信チケットの購入層は、年齢では20代後半~30代前半が最も多く、女性56.5%、男性43.6%と女性ファンの割合が高い。チケット購入の購入ルートとしては、アーティストの公式サイトやメディアサイトよりも、SNS経由の割合が高く、その中でも、Twitterを通じてチケット購入サイト(ZAIKO)に流入してくる割合は、トラフィック全体の39.9%とダントツに高い。一方、FacebookやInstagram経由のトラフィックは、今のところ2~3%で影響力は小さいようだ。この点からすると、ライブ配信ではTwitterのフォロアー数が多いアーティストほど、集客力が高いといえる。

従来の会場ライブでは、販売できる席数が決まっていることから、大半が「前売り」という形でチケットが事前購入されていたが、ライブ配信型のコンサートでは、席数の上限が無いため、ライブ当日に購入するユーザーの割合が3割近くある。一方で、ライブ終了後のアーカイブを視聴するチケット購入者は5%程度と低い。

また、チケット価格の設定では、最多価格帯は3,000~4,000円となっている。コロナ以降は、有料ライブ配信が普及していなかった数年前のチケット相場(1,000円~2,000円)よりは高くなっているが、会場コンサートのチケット平均価格(6,000~8,000円)と比較すれば安い。ライブ配信は会場費のコストを抑えられる分だけ、コンサートにかかる経費を抑えることができるが、複数の会場を巡る全国ツアーで観客動員数を増やしていくことには適していない。

そのため、コンサートの採算性を高めるには、日本国内だけでなく、米国、欧州、中国、アジアなど世界のファンが視聴を楽しめる多言語対応によるライブ配信や、アーティストとファンの双方向コミュニケーションによって生まれる投げ銭機能の導入。または、ファンが毎月固定の会費を払うと、すべてのライブ配信を視聴できるようなサブスクリプション型の益モデルを作ることも必要になってくる。

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