バーチャル住宅展示場によるマイホームの販売手法
新型コロナウイルスの影響により、外出自粛の風潮が高まる中で、住宅販売の営業手法にも変化が出てきている。日本ユニシス(8056)が、ネット上に公開しているバーチャル住宅展示場「MY HOME MARKET」には、国内住宅メーカーの旭化成ホームズ、ウッドフレンズ、ジブンハウス、新昭和ウィザース東関東、新昭和 FC パートナーズ、土屋ホーム、前正ホーム、トヨタホーム愛知などがモデルハウスを公開しており、マイホーム購入を検討する消費者は、自宅に居ながらVRによる「バーチャル空間」での内覧や見積作成など、スマホやタブレットで住宅の購入を検討することができる。
バーチャル住宅展示場の内覧者は、サイト上でマイホームの具体的な完成イメージやセルフ見積機能による必要資金の概算を把握した上で、気に入った住宅メーカーに来店予約をして、営業担当との商談を進める流れになっている。コロナ禍でも、実際の展示場に足を運ぶ回数は最小限にして、住宅建設から完成までの打ち合わせをオンラインで行うことも可能だ。
これからの住宅購入の主力層となる20~30代の共働き世代は、スマホでのコミュニケーション、ネットでの買い物に慣れており、マイホームの購入計画を進める上でも、まずはネットで情報収集することが起点になっている。一方、住宅メーカー側でも社員の働き方改革が求められ、営業マンが顧客を何度も訪問するようなセールス手法を改善する必要性に迫られている。
バーチャル展示場では、24時間365日顧客にサービスを提供することができ、顧客が自分で見積シミュレーションを行うため、住宅営業のプロセスを簡素化することが可能で、契約成立までのリードタイムが短縮される。全国各地にモデルハウスを建てるよりも出店コストは安く、効率的に見込客を獲得できるため、近い将来には住宅展示場の多くがバーチャル化していく可能性もある。
「MY HOME MARKET」は、楽天市場にも出店しており、楽天サイトから希望の住宅メーカーに対して「打ち合わせ申込」をして、1年以内に契約成立、着工、引き渡しまでが完了した顧客には、住宅価格に対して1%の楽天スーパーポイントが付与される特典を与えている。住宅価格が2,000万円ならば、20万円分のポイントが付くことになり、実際に楽天市場からの住宅購入者が増えているという。eコマースでマイホームを購入することも、ミレニアル世代の消費者にとっては特別なことではないようだ。
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