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AIパトロールによるブランド知財監視の仕組みと問題点

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JNEWS会員配信日 2019/3/6

 アマゾンマーケットプレイスでのアカウント凍結が増えている背景には、AIによる知財管理システムが急速に普及してきたことが関係している。

独自の商標やデザインを多数保有しているブランド企業では、これまで人力で知財侵害をしている業者の監視をするしかなかったが、それをAIに任せられるようになったことで、不正業者の摘発を大量に行える。知財侵害の通知を受けたアマゾンでは、コンプライアンスの観点から、該当する業者を放置するわけにはいかず、アカウント凍結の措置を講じるという流れである。

《AIによる不正商品摘発の仕組み》

AIによる知財監視の具体例として、米ニューヨークを拠点とする新興企業が開発する「TrademarkNow」は、Webベースで利用できる商標管理システムで、契約企業が商標登録している商品名、ロゴマーク、キャッチフレーズ、キャラクターなどの知的資産を、特許機関のデータベースにある原本データと照合して、ネット上で商標侵害している商品を自動的に見つけることができる。

従来の検索システムでは、商標を完全コピーしている不正商品でなければ発見することは難しかったが、TrademarkNowでは、商標の図柄を巧妙に模倣しているような事案でも発見することが可能だ。

TrademarkNow

また、オーストラリアで開発された「TrademarkVision」は、製品の外観全体に対して画像検索をして、デザインを模倣している他社の類似製品を「Exact(完全な模倣)」、「Similar(似ている)」、「Other(模倣の可能性あり)」の3段階で検出することができる。この機能は、欧州(EU)やオーストラリアの特許機関に提供されて、新規の商標審査をする際の、類似商標調査に活用されている。

TrademarkVision

このような知財監視システムは、月額数百ドルの費用から、必要な機能単位で利用できるようになっている。しかしAIの判定は決して完璧ではないため、今後の知財トラブルは増えていくことが予測されている。その対抗策として、アカウント凍結をされたアマゾンセラー(出品者)向けに、知財侵害していないことをアマゾンに対して申し立てて、アカウント復活までのサポートをするサービスも、海外では登場してきている。

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