観光業界の人手不足を解決する手段として、季節限定の短期アルバイトを派遣会社から調達する方法が急成長してきている。繁忙期のホテルや旅館で働くスタイルは、以前から存在していたものだが、「リゾートバイト」として手軽に募集できるようになり、20代を中心としたシーズンワーカーが増えている。 (JNEWSについてトップページ
観光業界の復活を支えるシーズンワーカー派遣ビジネス

JNEWS
JNEWS会員配信日 2023/7/6

 国内の観光市場は、2023年から急速に回復してきたことに伴い、ホテル旅館業界では人手不足も深刻化している。地域によっても異なるが、2023年5月時点で宿泊業界の求人倍率は、前年同月と比較して10~20倍に増加して、時給を若干引き上げる程度では、人材が集まらない状況となっている。

この問題は、コロナ禍で非正規人材を大量に解雇した時から予測されていたことだが、今夏の人手不足を解決する手段として、季節限定の短期アルバイトを派遣会社から調達する方法が急成長してきている。繁忙期となるシーズン(1~3ヶ月)に限定してホテルや旅館で働くスタイルは、以前から存在していたものだが、最近では「リゾートバイト」としてスマホアプリから手軽に求人募集できるようになり、20代を中心としたシーズンワーカーが増えている。


リゾートバイト.com

リゾートバイトの特徴は、現地に住むための宿舎(寮)と食事が無料で提供されるため、手取り月給の大半を貯金することも可能なことだ。時給相場は一般的なアルバイトよりも高いため、定時(8時間)と残業代を含めると、月収25~30万円を稼ぐこともでき、海外旅行へ行くための資金、運転免許の取得や車の購入、大学の学費を稼ぐ目的などで、短期でまとまった資金を貯めたい人に適している。

また、バイトの休日には観光地でのレジャーや、都会では出来ない体験、人との出会いを楽しむこともできる。都会人の中で移住願望が高まっているには、コロナ禍からのトレンドだが、短期移住体験の手段としても、リゾートバイトが注目されている。

《リゾートバイトの求人案件例》

リゾートバイトの教科書-世界一周、ワーホリ、留学するために、僕が1年間リゾートバイトをして100万円貯めた具体的な方法

もともと、観光地での季節制の仕事は「シーズンジョブ(Seasonal Jobs)」として、海外では古くから定着しているが、日本ではインバウンド旅行者が増え始めた10年程前から普及してきた。コロナの行動制限が解除されて以降は、観光客の復調に、人材採用が追いつかないことから、リゾートバイトの時給相場も 1200円~1500円に上昇して、働きたい者にとっての売り手市場となっている。

観光庁でも、インバウンド景気復のる鍵を握るのは、リゾートバイトによる新たな人材確保という捉え方をしているが、シーズンワーカーは時給労働者の中でも更に雇用が不安定なグループに属すことになる。繁忙期の時給はアップしても、宿泊客が減少すれば、数ヶ月単位で契約を切られてしまう。それでも、自由な働き方と、短期の時給が高いことに魅力を感じて、宿泊業界に限らず、様々な業界でシーズンワーカーは増えていくことが予測されている。

全国のホテルや旅館がリゾートバイトを採用する場合には、人材募集から採用までを直接行う方式と、派遣会社を通す方式の2種類がある。コスト面では直接採用のほうが安く抑えられるが、短期雇用のトラブルを回避するため、派遣会社を介する割合は全体の8割と高い。働く側にとっても、時給や待遇面(寮の環境や健康保険など)で、派遣会社に登録したほうが、条件は良くなっている。

この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

JNEWS会員レポートの主な項目
・リゾートバイトの採用形態について
・成長するリゾートバイト人材派遣業
・マージン切り下げによる人材会社の時給競争
・農業分野でも増えるシーズンワーク需要
・規制緩和で成長する外国人材の農業派遣ビジネス
・新労働力としての障害者雇用モデル
・障害者就労事業者の採算構造について
・農福連携で成長する植物工場と障害者ビジネスの接点
・ギグワークよりも時給労働を好む日本人の特性
・数時間単位で雇用するスキマバイトの採用形態
・スキマバイト・マッチングアプリの採算構造
・最低時給引き上げと労働時間の関係について

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2023.7.6
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ


(注目の新規事業)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)

これは正式会員向けJNEWS LETTER(2023年7月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

JNEWS LETTER 2週間無料体験購読

配信先メールアドレス

※Gmail、Yahooメール、スマホアドレスの登録も可
無料体験の登録でJNEWS LETTER正式版のサンプルが届きます。
 
Page top icon