AIチャットの収益化が進んでいるカテゴリーに「仮想ガールフレンド」がある。AI会社は大量フォロアーを獲得している女性インフルエンサーの性格と音声をコピーした仮想ガールフレンドを開発、有料サブスプリクションサービスとして会員募集を開始している(JNEWSについてトップページ
孤独を癒やす仮想ガールフレンドとAIコンパニオン開発

JNEWS
JNEWS会員配信日 2023/6/2

 自然な言葉で対話ができるAIチャットには、人間の孤独を癒やす役割が確認さされている。メンタルヘルス分野での活用が期待されているが、それよりも早く事業化が進んでいるのが、仮想ガールフレンドの開発である。

Snapchatで180万人のフォロアーを獲得している、23歳の女性インフルエンサーCaryn Marjore(キャリン・マージョリー)は、AI開発会社との提携により、自身の性格と音声を学習させた分身の「Caryn AI」を開発して、プライベートな会話ができるサービスを 2023年5月から開始した。音声チャットでの会話は、一日に起きた出来事を話して、励ましてもらったり、慰めてもらったり、映画の感想を語り合うことや、信頼関係を深めていけば、次第に心を開いて恋人同士の会話を楽しめる。

このサービスは、1分あたり 1ドルの有料サービスとして提供されたが、3000人以上の申し込みが殺到して1週間で71,610ドルの収益を上げた。さらに、15,000人のウエイティングリストが付いているため、Caryn AIは毎月500万ドルを稼ぐことが見込まれている。

Caryn Marjore(Snapchat)
■Caryn AI音声チャットのデモ映像

仮想ガールフレンドとの擬似的な会話に時間とお金を費やすなど馬鹿らしいという意見もあるが、それと比較できるものとして、オンラインデートのマッチングアプリは、世界で約7億ドルの市場規模で、3億6600万人もの会員登録がある。
デートアプリは、男女が出会うためのツールとして定着しているが、その中で実際の出会いに成功して、恋人や結婚相手が見つかるのは、10%未満と言われている。

日本でも、リクルートブライダル総研が行った「恋愛・結婚調査 2021」によると、20~40代未婚男女のうち、恋人がいる人の割合はおよそ3割で、残りの7割は恋愛をしていない。過去に一度も交際経験の無い割合も28.6%と高く、孤独を癒やすサービスには、大きな市場が潜んでいる。

《独身者で恋人がいない人の割合(国内)》

恋愛・結婚調査 2021(リクルートブライダル総研)

Caryn AIの開発を担当しているのは、Forever Voicesという会社で、ChatGPTをベースとして、Caryn氏が YouTube上で公開していた2000時間分の映像から、彼女の声や独特の動作、会話の内容などを機械学習して、彼女のAIクローン化を実現させている。AIの人格は、これからの彼女の発言などを追加学習することで、本人同様に進化していく。

また、米国のセクシー女優で、動画配信プラットフォームの Twitchで630万フォロアーを獲得している Amouranth(アモランス)というカリスマインフルエンサーも、Forever Voices社の技術を活用したAIコンパニオンを 5月19日にリリースした。

Forever Voices

2013年に公開された「her(世界でひとつの彼女)」という映画では、AIアシスタントに恋心を抱いた男性の未来像が描かれていたが、それと同じことが現実のサービスとして登場してきたことになる。これは、仮想ガールフレンドの領域だけに留まらず、AIと人間との新たな関係がスタートすることを示唆している。

■her/世界でひとつの彼女 予告編

人間を喜ばせたり、癒やしたりすることを目的に開発されたロボットは、「AIコンパニオン」と呼ばれては、理想の容姿を作るアバターと、リアルな人工音声、柔軟な会話ができる自然言語処理の技術から成り立っており、既に実用段階に入っている。

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・暗号業界で導入される投資家向けAIコンパニオン
・AIマーケティングに適したペルソナ分析の仕組み
・AI価格交渉エージェントが商談する未来社会の方向性
・AI投資への加速で需要拡大するGPU市場と事業育成
・ChatGPTをデジタルアシスタントにした仕事革命
・AIロボットを味方に付けるフリーランスのリスキリング

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