ヴィンテージ商材発掘ルートとして注目される遺品整理業
1950~1980年頃に販売された家具、古着、ギター、カメラ、レコードなどはコレクター市場での価値が高まっている。日本の古い製品は海外でも人気があり、国内で安く仕入れてeBayなどで販売する副業は流行っているが、既に競合者は多いことから、リサイクルショップで掘り出し物を見つけること難しくなっている。
そうした状況の中で、ヴィンテージ品やレトロアイテムの調達先として遺品整理業が注目されている。米国では、故人の家から発見された古いリーバイスのジーンズが数万ドルで落札されたという話もあり、遺品をターゲットとしたデニムハンターが増えている。
日本でも、古本の他に、ホビー用品、古着、貴金属などの買い取りにも力を入れているブックオフグループ(9278)では、2022年5月から「ブックオフおかたづけサービス」を立ち上げて、遺品整理業に本格参入している。
このサービスでは、相続した実家または、生前整理として家財道具を処分したい高齢者宅を、遺品整理の専門資格を保有するスタッフが訪問して、家の片付け、ゴミの廃棄処分、価値のある品物の買い取りなどを行う。
料金は、片付けの作業料+ゴミの処分代がベースとなり、そこからリユースが可能な物品の買い取り額を減額して請求する方式だ。一般的な戸建住宅のモデルケースでは、1軒あたりの片付けにかかる総費用が47万円、そこからリユース可能品の買い取り額として4万円を差し引いた、43万円が請求額になる。
関東と関西圏を中心に220店舗以上のリサイクルショップを展開するトレジャーファクトリー(3093)でも、遺品整理業の「Regacy(レガシー)」を子会社として運営している。同社は、総合リサイクルショップの他に、古着、ブランド品、アウトドア用品などを、それぞれ専門に扱うリユースショップ、不動産の買取事業なども展開しているため、遺品整理のニーズに対して幅広く対応できることを強みとしている。
日本国内では、2019年の時点で65歳以上の高齢者単身と夫婦のみの世帯が1500万世帯以上あり、20年前との比較では約2倍に増えている。これらの世帯は、将来的に家主が居なくなる可能性が高く、生前整理や遺品整理の市場が今後は急成長していくことは間違いない。
遺品整理の市場には、廃棄物処理業、ハウスクリーニング、リサイクルショップ、引越運送業、便利屋などが参入しているが、法律による直接的な規制は無いため個人の起業者にとっても新規開業がしやすい業界になっている。終活としての生前整理や、相続人による遺品整理はメンタル面でも負担が重い作業となるため、専門業者によるサポートが求められている分野だ。一方で、サービス内容や料金体系は、業者による違いが大きいため、依頼者のニーズに沿った独自のメニューを作りやすい。
(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
■JNEWS会員レポートの主な項目
・遺品整理+特殊清掃の開業方法
・生前整理スペシャリストとしての開業
・米国エステートセールの仕組みについて
・遺品価値を高めるエステートオークション
・遺品を売りさばくエステートセール業者のノウハウ
・遺品をゴミ廃棄する国内業者の問題点
・需要が急拡大するデジタル遺品整理サービス
・トレジャーハンティング事業の立ち上げ方と着眼テーマ
・サブスク型高齢者生活支援サービスのビジネスモデル
・遺品整理業と廃棄パソコン無料回収のビジネスモデル
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2023.5.9
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ
(注目の新規事業)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)
これは正式会員向けJNEWS LETTER(2023年5月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。