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ポストコロナで渇望されるアウトドアレジャー開発の視点

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JNEWS会員配信日 2021/2/26

 2020年から2021年にかけてのレジャー業界が深刻な打撃を受けていることは、各種のデータからも明らかになっている。日本政府観光局(JNTO)が2020年7月時点で集計した訪日観光客は、前年比で79.9%減と壊滅的な状況だ。現在でも、世界でほとんどの国が入国規制を行っており、観光客の受け入れを制限している。
ワクチンの集団接種が進んだとしても、安心して海外旅行ができるまでには、数年の期間がかかるとみられている。

COVID-19 Travel Regulations Map(国際旅行の規制マップ)

国際航空運送協会(IATA)では2021年の旅行需要を66%減と予測している。航空会社はどこも経営難に陥って、資金繰りがどこまで続くのかという勝負になっている。特に、経営基盤が脆弱なローコストキャリア(LCC)の経営破綻は、世界で起きている。

ホテル業界も同様で、日本国内にあるシティホテルの客室稼働率は、2019年までは80%台で推移していたのが、2020年は平均で20~30%台にまで下落した。通常、ホテル経営は客室稼働率が60~75%でサービスが維持できるように設計されているため、政府が補助金を投下しないと存続できないような状況である。

《国内ホテル業界の稼働率(2020年9月)》

しかし、消費者がいつまでも「巣ごもり」を続けたいと考えているわけではなく、アウトドアのレジャー関連市場は、逆にコロナ禍で業績を伸ばしている。自転車部品と釣り具メーカーのシマノ(7309)は、両事業ともに2020年は新規のユーザー層が増えたことで業績を伸ばし、前年比で営業利益が21%伸びている。同じく、「DAIWA(ダイワ)」のブランド名で釣り具メーカーとして世界1位のシェアがあるグローブライド(7990)も、日本と北米市場でフィッシングユーザーが増えたことにより、前年比で営業利益が131%増となった。

シマノフィッシングサイト
DAIWA(ダイワ)

また、三密を避けてアウトドアを楽しめる乗り物としてバイクの人気も高まり、特に中型、大型の高級バイクが売れている。中古バイクの買い取りを行う、バイク王(3377)の2020年決算は、売上高で11%増、営業利益で235%増という好成績だ。営業利益の伸び率が高いのは、ユーザーから買い取ったバイクを業者オークションで売却するのではなく、直営店舗で販売する業態への転換が成功しているためだ。

バイク王

4輪のキャンピングカーも、レンタル、販売ともに需要が急増しており、程度の良い中古車は、すぐに次の買い手が付く「タマ不足」の状態が続いている。消費者にしてみると、これまで海外旅行や屋内レジャーに費やしてきた予算を、感染リスクが低い野外で、家族や友人と楽しめるアウトドア活動に乗り換えようとするのは、わかりやすい価値観といえる。

国内でもワクチン接種が進み始める2021年の春から夏にかけては、消費者の気持ちも少しずつレジャーに向き始めるだろうが、コロナ前とは異なり、近場で楽しめるアウトドアレジャーの人気が高まると予測されている。これらの市場はニッチですそ野が広いため、個人の起業者でもアイデア次第で多様な新サービスを立ち上げることができる。

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・トレイルを活用したサイクルツアーの起業モデル
・世界に広がるフリーウォーキングツアーの収益構造
・早朝の時間帯を活用したアウトドアストアの開発
・早朝と夜間に時間分散する観光コンテンツの開発
・3密回避の消費者を取り込むドライブスルー開発
・水面下で盛り上がるオートキャンプ・ブームの再燃
・フードマイルを意識したローカルフードビジネス

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