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マイホーム換金価値を高める中古住宅買取りビジネス

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JNEWS会員配信日 2020/11/7

 日本の平均世帯では月収のおよそ2割を住居費に充てている。ザックリとした計算で、年収400万円の世帯は月額8万円、年収600万円では月額12万円前後が適正な住居費の範囲と言われている。これは賃貸の家賃、持ち家のローン、両方に当てはまる考え方だが、実際にはそれ以上の住居費を負担している世帯も多い。

住宅金融支援機構の住宅ローン(フラット35)の利用者調査によると、月収(控除前の総支給額)に対するローンの平均負担率は20~25%だが、それ以上の返済をしている世帯も3割を超している。

《フラット35利用者の返済状況(2019年)》

賃貸と持ち家どちらが得かという議論がよくされるが、これはマイホームの換金性によっても判断が変わってくる。不動産はもともと流動性が低い資産であり、いざ「売りたい」という思う時に、即現金化することが難しい。そのため、収入が減少しても住宅ローンは払い続けなくてはならず、人生がピンチの時には荷の重い負債になってしまう。

こうしたリスクを嫌うのであれば、賃貸のほうが気楽という考え方は確かにあるが、家賃は長年払い続けても資産として残らないのが欠点だ。同じ家に長期で住み続けるほど、持ち家のほうが総支払額でみた割安感は出てくるもので、換金性も昔よりは高くなっている。

ローンの返済ができなくなると、融資先の金融機関が裁判所に競売の申し立てをして、強制売却をする流れになるが、不動産競売流通協会の統計によると、2012年にはマンションと戸建住宅の競売物件数は3.4万件だったのが、2019年は1.9万件にまで減少している。

《競売物件数の推移(国内)》

競売数が減少している理由としては、ネットの不動産情報サイトが充実したことで、最終手段の競売にかかる前に任意売却がしやすくなっていること、リフォーム技術の進化によって中古住宅の価値が見直されてきたこと、不動産投資としても中古物件の買い手が増えていることなどが挙げられる。

さらに最近では、中古住宅の買い取りビジネスが急成長してきている。通常、住宅を売却換金するには、半年~1年は見ておく必要がある。しかし買い取り業者への売却であれば、申し込みから数日間で査定金額が算定され、最短2週間程度で現金化することも可能だ。買い取り価格は、相場の2~3割ダウンになってしまうのが欠点だが、離婚や相続税の支払いで家を売却したいケースでも需要が増えている。

日本では中古住宅の買い取り業者が10年程前から登場して、現在は年間およそ3万4千件の物件が取引されている。買い取り業者は、一般個人から買い取った住宅をリフォーム再生して、第2のマイホーム、または投資用物件として販売することで収益を得ている。これは、中古車の買取りと再販がセットになった中古車流通市場と似た構造である。

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