コロナ禍で広がる雇用シェアリングの仲介ビジネス
コロナ禍の雇用対策としては、不況の深刻な影響を受ける業界と、人手が足りていない業界との間での「雇用シェアリング」が広がり始めている。これは、元の会社に籍(雇用契約)は残したまま、人手が不足している会社の従業員として働く方法で、2社間の契約としては「在籍型出向」の形になっている。
雇用シェアリングでは、余剰人材を抱えている会社と、求人したい会社とのマッチングを行う仲介者が必要になるが、失業対策としての雇用シェアリングは公共性が高いサービスのため、公的団体がその役割を担当している。
全国の都道府県に事務所を持つ、公益財団法人の産業雇用安定センターはその一つで、コロナの影響を受ける企業に対して、在籍型出向制度のスキームを提供している。ホテル、飲食業、小売業など売上の下落で、雇用の維持が難しくなってる会社は、同センターに情報登録をすると、人材受け入れを希望する会社とのマッチングが行われる。マッチング時の手数料や成功報酬はかからない。
マッチングの具体例としては、外国人旅行者の減少で観光バス運転手の雇用維持に苦慮しているバス会社から、感染対策物資の輸送を担当する物流会社へ出向するケース。レストランの料理人が、スーパーマーケットに出向してバックヤードで食品調理の仕事を担当するケースなどが挙げられている。出向は長期的なものではなく、コロナ収束後には元の会社に戻る取り決めになっている。
■雇用を守る雇用を守る出向支援プログラム(産業雇用安定センター)
同センターは、1980年代から国や自治体との連携により、出向による人材移動の仲介を行っており、これまでに21万件以上の仲介実績がある。この仕組みは、失業者を増やさない目的では一定の効果がある反面、出向される従業員本人が「自分の好きな仕事」に就けるとは限らない。従業員本人の同意が無いまま、出向先の決定をすることは法律で禁止されているが、通常の会社人事と同じで、従業員から会社の出向指示を断れるケースは少ない。
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