軽自動車を活用した宅配便ドライバーの起業と収益事情
JNEWS会員配信日 2017/3/6
消費者の買い物スタイルが、店舗からネットへと変化したことで、新たに浮上してきたのが商品配送に関わる物流の問題である。国内の宅配便取扱高は、ネット通販が普及していない20年前には年間13億個だったのが、現在は37億個にまで膨れあがっている。
その中でも、宅配便業界トップのヤマト運輸では、全体の46.7%にあたる16.2億個もの荷物を扱っている。それを配達するのは6万人のドライバーである。しかし、配達時に留守をしている不在率は2割と非常に高く、再配達にかかる手間がドライバーの過剰労働へと繋がっている。時間帯指定の配達についてもドライバーの負担が大きいことから、指定できる時間枠の見直しをすることが報じられているが、これは抜本的な解決策にはならない。
今後もさらにネット通販の荷物が増えていくことは確実だが、運送会社は労働組合との協議もあって、ドライバーの負担をこれ以上重くすることはできない状況。
ドライバーの増員についても、固定費の増加に繋がることから積極的には行えない。そこで水面下で進められているのが、業務委託型の外部ドライバーを増やすことである。
フリーターの若者や、主婦、定年退職者などを対象に、軽ワゴン車を持ち込む形で仕事を委託できるネットワークを、運送各社が広げている。業務委託の形であれば、“社員”にはあたらないため、労働問題をクリアーすることができる。一日に配達する荷物の割当を決めてしまえば、不在による再配達の手間が増えたとしても、それは人件費(残業代)として運送会社側の負担にはならない。
※軽自動車運送の車両として人気が高いスズキ・エブリイは新車価格が94.5万円~
委託ドライバーにとっては、会社から“雇用”されないため、社員のようにストレスを抱えることなく働ける。大儲けができる仕事ではないが、自分の努力次第で収入を伸ばしていくことができる。そして何よりも、宅配便の荷物は増え続けているため、日々の仕事には困らないのが魅力である。
このような仕組みは、米国で流行っているUberドライバーと共通点が多い。自分の車に有料で客を乗せるライドシェアリングは、日本では道路運送法の規制があり難しいが、軽自動車による運送業の許認可は、個人でも取得が容易であることから、副業としても実行することも可能である。
ただし、委託方式による宅配の単価は安いため、その仕事を長期で続けるという考えではなく、そこから新たなビジネスに結び付けることが望ましい。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます→ 記事一覧 / JNEWSについて)
■JNEWS会員レポートの主な項目
・軽貨物運送の起業モデル(長所と短所)
・宅配便委託ドライバーの収入モデル
・軽貨物運送の収益性を高める視点
・運送業界のマージン構造について
・アマゾンが構築する個人配送プラットフォーム
・日本向け軽貨物プラットフォームへの応用
・eコマース業界が抱えるラストマイル問題
・年間2700億円超の不在宅配便コスト
・ドライバーの配送効率を高めるソリューション
・近未来の労働力不足を解消するオンデマンドワーカー
・ローカルデリバリービジネスを支えるパーソナルショッパー
・多分野に広がるUber型ビジネスモデルの応用と付加価値サービ
■この記事の完全レポート
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