キャンプ場を高収益化するメンバーシップ事業の開発
日本のキャンプ業界では、まだ会員制サブスクサービスの認知度が低いが、米国ではメンバーシップ制度によるキャンプ場の系列化が進んでいる。統一されたサービス内容や割引料金で各地のキャンプ場を利用できることは、キャンパーにとってもメリットがある。
Kampgrounds of America (KOA)は、米国とカナダで民間経営される500ヶ以上のキャンプ場をフランチャイズ化している会社で、トイレ、温水シャワー、電源設備、清掃などの品質レベルを保つ600項目以上の検査を定期的に行い、オンライン予約やロイヤリティプログラムなども提供することで、キャンパーにとって安全で快適なキャンプ場経営をサポートしている。
KOAの有料メンバーシップ制度は、年間33ドルの会費を払うことで、系列キャンプ場の利用料が毎回10%割引になることや、特定の週末にはキャンプ場を無料で利用できる「KOAリワードウィークエンド」の特典が用意されている。さらに、系列キャンプ場を利用する度にリワードポイントが貯まり、ポイント数に応じて宿泊料金のキャッシュバックが受けられるようになる。
■Kampgrounds of America(KOA)
■KOAキャンプ場の紹介映像
KOAキャンプ場の年間利用者数は約2000万人、そのうち47万人が有料のメンバー登録をしている。利用者は専用アプリによって、KOA系列すべてのキャンプ場のオンライン予約をすることができ、年間の予約件数は200万件を超しているため、各地域のキャンプ場にとってはフランチャイズに加盟することで、来場者数を増やせるメリットがある。
KOAフランチャイズ加盟の条件は、KOAキャンプ場としてのトレーニングと管理ソフトウェアの導入費用を含めた初回の加盟料が11,250ドル、2年目以降の年会費として1,750ドル、オンライン予約1件につき8%がロイヤリティとして徴収される。また、年間のキャンプ場利用料収入(物販等は含まず)に対して 2%の広告料もかかる。
それでもKOAブランドの効果は大きく、コロナ禍でもKOAフランチャイズ全体の収益は過去最高を記録した。さらに、KOA本社では、系列キャンプ場の売買仲介も行っている。フランチャイズ加盟するキャンプ場のオーナーは、新規のキャンプ場開業希望者に対して経営権を売却することができるため、キャンプ事業の出口戦略を組みやすい。
観光やレジャー分野の大手企業が、中小のキャンプ場を買収することでアウトドア事業の拡大を狙う動きは、コロナ禍以降、世界で加速してきているため、キャンプ場を高収益化した後に、売却することでキャピタルゲインを得る投資スキームも成り立ちやすくなっている。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・国内キャンプ場の収益状況について
・キャンプ場サブスクサービスの開発モデル
・キャンプ場を高収益化するメンバーシップ事業
・人気化するキャンプ場用地投資への注意点
・プロ投資家が注目する旧リゾート地の再生モデル
・都会人を癒やす焚き火カフェの新業態開発
・法人向けキャンピング事業の開拓
・未来の働き方で急所となるサードプレイスの役割と必要性
・ポストコロナで渇望するアウトドアレジャー開発の視点
・仕事とリゾートを兼ねたワーケーションの休暇スタイル
・規制緩和される市街化調整区域を狙った地方再生ビジネス
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2022.12.6
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