2020年後半からのビットコイン高騰は、PayPalなどの電子決済業者がビットコイン決済を開始したことが関係している。ビットコインを使うと、ユーザーは為替レートの変動を気にすることなく、国際送金や海外からの買い物をすることができる(JNEWSについてトップページ
ビットコインに対応する電子決済業者のビジネスモデル

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JNEWS会員配信日 2021/2/9

 これまでビットコインの用途としては、投資目的で保有するか、ダークネットマーケットと呼ばれる闇市場の中で非合法の商品(違法ドラッグや武器など)を取引する決済手段として使われるのが主体だった。合法的な商取引の中では、やはり法定通貨と比べて仮想通貨の信頼性は低いため、積極的には活用されていないのが実態である。

しかし、PayPalが2020年11月から、ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、ビットコインキャッシュという4種類を取り扱う「PayPal Crypto」を開始したことから、状況が変化してきている。PayPalユーザーは、これらの仮想通貨を自由に購入することができ、PayPalに対応したECサイトの代金決済に利用することができる。

PayPal Crypto

たとえば、個人ユーザーが100ドル分のビットコインを購入して、1週間後にECサイトの決済に使うと、ビットコインが値上がりしていれば買い物代金が実質的に安くなる。反対にビットコインが値下がりすれば損をするが、少額の保有であればリスクも低いためゲーム感覚でプチ投資が楽しめる。代金決済時には、PayPalが法定通貨に自動両替して送金されるため、EC業者側にとってのデメリットも無い。

■PayPal Cryptoの紹介映像

PayPalがユーザーに販売する仮想通貨にはスプレッドが含まれており、仮想通貨マーケットから調達する買値と、ユーザーに提示する売値との差額を利益としている。同じ仕組みのビジネスは、Squareの個人送金アプリ「Cash App」の中でも2018年から行われており、個人ユーザーはビットコインで購入した資金を値上がり後に売却したり、友人や家族に送金することができる。

Cash App

Squareの業績発表によると、2020年第3四半期にはCash Appによるビットコインの売上高が16億3000万ドルに対して、利益は3200万ドルとなっている。つまり、Squareは個人ユーザーにビットコインを販売することで約2%の粗利益を得ていることになる。

《電子決済業者の仮想通貨ビジネス》

PayPalやSquareが手掛けるビジネスが、他の取引所と異なるのは、仮想通貨の取り扱いを簡単にして、これまでビットコインなどに関心の無かった消費者を新たな顧客層として取り込んでいる点にある。これからの電子決済業者は、一つのスマホアプリの中で、電子マネー、預金口座、仮想通貨、株式や投資信託など、多種類の資産を管理することを目指している。その中で、仮想通貨の販売は魅力的な収益源に成長してきている。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・ビットコイン投資の特性と注意点
・仮想通貨の税務申告についての注意点
・ペイパルが開始するビットコイン決済の仕組み
・電子決済業者が扱う仮想通貨の収益構造
・ビットコインによる海外労働者向け国際送金ビジネス
・仮想通貨で利息を稼ぐ投資手法の広がり
・担保資産として活用される仮想通貨の価値
・ネット社会で拡大するデジタル資産の価値と遺産相続の形
・優良顧客として取り込むビットコイン消費者の特性と分類
・ブロックチェーンで資産価値を高める共有台帳システム

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