オープン特許戦略のビジネスモデルとライセンス体系
自社で開発した特許技術を無償提供するオープン化戦略は、数年前からテクノロジー業界を中心に広がり始めているが、そこには新たなライセンスビジネスの道筋が描かれている。具体的な方法は、技術や製品の特徴によっても異なるが、その本質は、ネットビジネスが、無料サービスで新規のユーザーを大量に集めた後、上位の有料プランへと移行させる「フリーミアム」のビジネスモデルと似ている。
具体例として、トヨタ自動車は、独自に開発してきたハイブリッド車(HV)の電動化に関する技術特許、約2万3740件を2030年末まで無償提供することを、2019年に発表している。
この背景には、自動車業界に対する環境規制は年々厳しくなっていることがある。
特に、欧州市場に参入しているメーカーに対しては、全車種の平均CO2排出量を走行1kmあたり95gまでに抑えることが求められ、2021年までに同基準を達成できない場合には罰金が科せられる。2018年の時点で、HVの技術を持つトヨタはこのCO2削減競争で最もリードしている。
他のメーカーでも、この基準をクリアーするためには、車両の電動化を進めていくことが必須の課題だが、自社で技術開発をするのはハードルが高いため、トヨタの特許技術を利用できれば好都合だ。トヨタは無償で技術提供する見返りとして、ハイブリッド(HV)やプラグインハイブリッド(PHV)の主要パーツ(車両電動化システム)をOEM供給する形での収益化を狙っている。
■電動化特許の無償提供について(トヨタ自動車)
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・JNEWS LETTER 2020.7.31
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