written in 2004/5/12
事例:PayPal 他
個人間で取引される商品売買の市場(CtoC市場)は、これからさらに伸びていくことが予測されている。その背景には、インターネットや携帯電話の普及によって一般の個人が“販売のための手段”を容易に持つことができるようになり、「買い手」としてだけでなく「売り手」としても市場に参加できるようになった環境の進化がある。
個人によって形成されるCtoC市場は、購入後にあまり使わなくなった中古品の販売が主体の二次流通市場といえる。一次流通の新品を扱うプロの小売業者からみれば直接的な競合ではないものの、商材によっては中古でも新品とほとんど品質や性能面で変わらないものも増えているため、ジリジリと小売店と同じ商圏を浸食しはじめている。さらに近い将来、消費税率が上昇すれば、消費者は税のかからない「個人からの購入」のほうを選ぶ利点が大きくなる。
CtoC市場(個人間売買)の成長がこれから否定できない方向とすれば、小売業者は自店が販売した商品(新品)が、二次的に中古品として個人から再度販売されて、本来なら新品を購入しようとしていた顧客が中古へと流れてしまうことも懸念されるが、これを是とするか非とするのかによって、これからの小売店の在り方は大きく異なってくる。
店舗(オンラインショップを含む)本来の役割は、「売る場所」を運営することであって、必ずしもメーカーから仕入れた商品を顧客に販売して差益を稼ぐことだけではない。「商品を売りたい」という個人に対しても売り場を提供する発想を持つことで成長分野のCtoC市場を取り込んだ新しい小売業の道を広げられる。
(海外ネットビジネス事例一覧へ)
●実店舗で広がる個人対象の委託販売システム
●個人向委託販売ショップの収益プラン
●拡大するネットオークション市場の動向
●CtoC市場成長の鍵を握る個人間決済の仕組み
●専門オークションハウスが拓くCtoC取引の新市場
●高級オークションハウスのビジネスモデル
●オンラインショップの収益強化策として考える専門オークション
●既存の入札方法にとらわれないオークションスタイル
●ネットによって近代化する質屋業界が展開する中古ビジネス
JNEWS LETTER 2004.5.12
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