リアル+デジタルの買い物体験を創出するスマート店舗
JNEWS会員配信日 2018/7/9
近未来の店舗は、デジタル技術で消費者に新たなショッピング体験を提供し、それをマーケティングに結び付けることも新たなテーマになっている。
2012年に、MITメディアラボでコンピュータビジョンの博士号を取得した卒業生が、創業した Perch Interactive社は、店舗内の商品展示にデジタル革命を起こす電子ショーケースを開発している会社だ。消費者がショーケースに置かれた商品を手に取ると、棚に組み込まれたディスプレイ画面に関連の商品情報が表示される。
顧客がタッチパネルでメニューを操作すれば、さらに詳しい情報(価格、色やサイズのリストなど)を引き出したり、商品プロモーション用の動画が再生される。
どの商品に対する関心度が高いのかは、クラウドサーバー記録されたデータから分析することが可能だ。
このショーケースは、店内で顧客が手に取った商品は購入率が40~60%高くなり30秒以上持ち続けている商品はさらに購入率が上昇する、という研究成果に基づいて開発されている。従来の実店舗は、顧客がどの商品に関心を示しているのかを、店員の目視によって漠然と把握するしかなかったが、Perch社のショーケースは、それを数値化して具体的なマーケティングに役立てることができる。
同社のビジネスは、クライアント企業の取り扱う商品に適した電子ショーケースを制作することに加えて、来店客が商品に触れたアクセスデータを分析できるオンラインプラットフォームの「PERCH Cloud」を提供することにある。実際にPerch社の電子ショーケースを導入したクライアントの成果として、20~140%の売上向上がみられる。その中では、特にギフト用品の売上効果が伸びている。
また、ネット通販では満足できない顧客を店に呼び込むには、商品の試着や試用ができる場を提供することの効果も大きい。2013年に米シリコンバレーで創業した「MemoMi Labs」は、アパレルショップなどに設置する試着用スマートミラーを開発している。
全身を映せる鏡の中には、高画質のカメラが組み込まれており、顧客が試着をして360度ターンした姿を映像として保存することができる。さらに、試着した服の色や柄を仮想的に変更することもできる。
同じ技術を利用した、化粧品売り場向けのメイクアップミラーも開発されており、ファンデーションや口紅の色調を仮想的に変更して、自分に最も合う色の商品を探すことができる。ミラーの照明には調整可能な色補正機能も付いているため、昼間と夜で異なる顔の表情もシミュレートすることが可能だ。ミラーで撮影された映像は、顧客のスマートフォンや PCからも閲覧できるため、友人との共有やSNSへの投稿もしやすい。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
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