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新素材の金脈発掘に奔走する健康業界と
究極の若返り市場
written in 2005/4/22

 近頃では「コインザイムQ10」という健康素材が流行している。テレビ番組でも「老化を防ぐ効果あり」と紹介されたことから、コインザイムQ10関連のサプリメントが売れすぎて、ドラッグストアーや健康ショップでは商品が仕入れられないという苦情も聞かれるほどだ。

コインザイムQ10の例に限らず、「健康に良い」と謳われた新素材がメディアに紹介されると、消費者はその中身を確かめることもしないまま購入に走る光景は珍しくなくなったが、高齢化社会が進行すると更に健康志向は高まることが予測できる。昨今の健康ブームは一過性の流行では終わらない。そう明言できるのは、業界の背後に大きな仕掛けが存在しているためである。

昔から数え切れないほどの健康食品が登場しては消えていったが、そのライフサイクルをみると、新たな健康素材の人気に火が付くことで購入希望者が一気に増えるが、それと同時に粗悪な商品が乱売されることで次第に評判を落としてしまう。そもそも、健康食品の原料となるのは、動物や植物から抽出された自然成分であるため、生産できる量には限界がある。それを上回るだけの人気(需要)が高まれば、商品に含まれる自然成分の濃度は自ずと低くなっていくため、市場にはたくさんの粗悪品が出回るようになる。

しかし現代ではバイオやナノテクなど最先端技術を駆使した研究によって健康素材の量産技術が急速に進化している。バイオ関連のベンチャー企業では、健康に良い効果をもたらす新しい成分を発見し、その抽出〜量産技術の開発に成功することで、世界の医薬・食品メーカーから巨額の権利収入を得ることも可能だ。彼らが狙っているのは「人間の寿命を延ばす」という究極的なテーマであるが、現代の最先端技術からすると、それもあながち夢物語ではない。現代では“新たな健康素材”を発掘することが、ダイヤモンドの鉱脈を発見するのと同等の価値を持つ。
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この記事の核となる項目
 ●ヒットする健康食品の影には必ず仕掛けあり
 ●健康食品の研究開発プロセスと流通システム
 ●コエンザイムQ10が世に出るまでの道程
 ●急拡大するアンチエイジング市場への投資活動
 ●間違った知識の氾濫で求められる食品情報のスペシャリスト
 ●科学的理論と手法によるダイエット専門家として起業する道
 ●肥満防止と生活習慣病予防に向けた健康管理の新ビジネス
 ●こんにゃく業者が生み出した人気ダイエット食品の開発秘話
 ●高級健康食品「ローヤリゼリー」の流通構造と優劣の見極め方


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