Anyca(エニカ)を活用したマイカー収益化の副業モデル
マイカーを持つべきか、持たないべきかという議論がされる中、車好きの中では個人間カーシェアリングの副業が流行ってきている。その収益プラットフォームとして活用されているのは、DeNAが2015年9月から立ち上げている「Anyca(エニカ)」で、個人オーナーが出品したマイカー車両を24時間単位で借りることができる。
エニカの登録ユーザー数は、2017年の時点で9万人、2019年には17万人、登録されている車両台数は6,000台以上と、着実な成長を見せている。エニカによるカーシェアリングの特徴は、大きく二つの利用者層に分かれていることである。
一つは、レンタカーよりも安価なシェアリングサービスとして、出張先の移動やレジャーで利用されていること。二つ目は、普段はなかなか乗る機会の無い、憧れの高級車を試乗目的で借りることである。全体的にみたニーズが高いのは、じつは後者のほうで、エニカが公開しているカーシェア人気ランキングの中でも、BMW、ポルシェ、メルセデスベンツなどの高級車が上位を占めている。
カーシェアの料金設定は、エニカが定めている車種別上限設定の範囲で、オーナーが自由に決めることができるが、レンタカー料金の半額程度(24時間で5,000~8,000円)に設定されているケースが多い。人気の輸入車でも10,000円以内で借りられる車両が多数見つけられる。
車両オーナーが稼げる実際の収入は、エニカが公開しているデータによると、東京23区内で1回以上シェア経験がある場合で、平均受取金額は、月々25,000円(2015年時点のデータ)と公開されている。年間では30万円となり、決して大儲けできるわけではないが、車の維持費を賄える程度の収入は稼ぐことも可能だ。
現状では、主な利用者が東京圏に集中しているが、個人間カーシェアリングの形態が全国的に認知されてくると、マイカーオーナーにとっては駐車場代や車検代を稼ぐための副業として普及していく可能性もある。
レンタルの申込みが多い車の特徴には、高年式の新型車だけでなく、10年近く経過した中古車もある。できるだけ安く借りられる車を探していて、細かな傷が付いても文句を言われないオーナーであれば、定期的に利用したいというユーザー層もいるためだ。こうした特性に着目して、レンタル需要が高い車種で、かつ安価で購入できる中古車をマイカーとして購入すると、投資収益率は高くなる。
また、1日単位の利用ではなく、旅行などで数日間のレンタル需要ある車ほど収益性は高くなるため、キャンピングカーや車中泊仕様のミニバンも、カーシェアリングには適している。趣味のセカンドカーを持ちたいが、維持費などを考えると、なかなか決断できない、と悩んでいる人にとって、エニカは色々な角度から攻略方法を研究してみたいプラットフォームといえそうだ。
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