JNEWS会員配信日 2016/5/16
中小の宿泊施設、飲食店、小売店にとっても、中国人旅行者は優良顧客となるはずだが、集客活動に力を入れているケースはまだ少ない。理由は、“中国人との接し方がわからない”とした漠然としたものが多いが、じつは、中国旅行者側でも同じ不安を抱えている。
宿泊施設の利用状況をみると、シティホテルやビジネスホテルの稼働率が75%以上であるのに対して、旅館の稼働率は、30%台の低い水準で推移している。これは、旅館が、外国人から“不人気”と捉えるよりも、旅館の利用方法がわからないことが理由としてある。
《国内宿泊施設の稼働率推移》
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シティホテル |
ビジネスホテル |
旅館 |
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平成23年(2011年) 平成24年(2012年) 平成25年(2013年) 平成26年(2014年) 平成27年(2015年) |
67.1% 72.5% 75.7% 77.3% 79.9% |
62.3% 67.3% 69.5% 72.1% 75.1% |
34.7% 35.5% 33.4% 35.2% 37.8% |
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※出所:宿泊旅行統計調査 |
中国で、日本の旅館は「日式旅館」と呼ばれており、和の伝統文化を体験できる宿泊施設として興味深く思われている。しかし、靴を脱いで玄関を上がることや、畳の部屋での過ごし方、和食のマナー、温泉・露天風呂の入り方などは知らないことが多く、外国人にとってのハードルは高い。
これには、旅館文化を知ってもらうための啓蒙活動をしていない、日本側の努力不足もあり、これから改善していける余地はある。旅館が、旅行代理店を使わずに、外国人を集客するためのポイントは、日本の旅行者を獲得するのと基本的には同じで、自社ホームページでの情報発信を強化していくことだ。
Webサイトのインバウンド対策としては、コンテンツの多言語化が重要で、英語の他に、中国語(繁体字と簡体字)、韓国語、タイ語など、ターゲットとしたい国の言語に対応していく必要がある。しかし、自治体の観光サイトでも、多言語化されているサイトは、まだ少ないのが実情だ。
旅館サイトの場合には、和室の利用方法やマナーなど、一部のコンテンツを翻訳するだけでも、外国人のアクセスが増えて、来客に繋げられるようになる。個人旅行の外国人は、自国の旅行予約サイトから検索をして、好みの旅館を選んだ後、旅館の公式サイトでも、外国人を歓迎している施設なのかを確かめるのが一般的である。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です→記事一覧)
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■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2016.5.16
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