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  移動販売ビジネスは、用意できる資金に応じて各種の車両が揃っており、商売を辞める時や、次のステップに進む時には、売却できる「中古車市場」も存在しているため、副業者にとっても手掛けやすい事業として米国で人気がある。
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移動販売ビジネスの採算と
エコ社会に支持される自転車行商
written in 2011/3/9

 レストランに勤めていた料理人が、フードトラックで独立することの他に、20代の若者や女性の起業テーマとしても人気が高まっている。こうした背景には、不況により就職が難しくなってきたことで、日銭が稼げる商売が見直されていることもある。

フードトラックも決して容易なビジネスというわけでなく、午前中に食材の仕込みや調理をすることから始まって、昼〜夜にかけての営業、その後の片づけで一日15時間前後の労働は覚悟しておかなくてはいけない。それでも、事業に一度失敗したことのある人や、転職先が見つからずに失業したままでいる人にとっては、挑戦しやすい起業テーマといえる。

トラックを新車で購入して、本格的な厨房設備を備えた車両に改造すると10万〜20万ドル(約800万〜1600万円)の資金が必要になるが、フードトラックには中古車の市場も形成されており、個人からの開業であれば、中古のフードトラックからスタートするのが普通で、3〜5万ドルで購入できる車両も見つけられる。

しかし開業者の中でも、自己資金で全額を負担している人は少なくて、車両購入費の2割程度を頭金として、残りの8割は、銀行やローン会社との融資やリース契約により、開業後の売上から分割払いをしているケースが多い。それらの手続きは、「Armenco Cater Truck Mfg」のようなフードトラックの専門業者にコーディネートしてもらうこともできる。

実際に、フードトラックでどれ位の売上が期待できるのかと言うと、中古トラックを購入した個人の開業、昼と夜の2ヶ所に出店した場合で、日商が300〜400ドルの売上を達成することが目標値になるとのこと。一日の平均が 400ドルで25日の営業なら、月間で1万ドルの売上になる。その目標に到達すれば、料理の材料費、トラックのローン代、燃料費などを差し引いても、個人事業としてなら黒字でやっていける。

《フードトラック・ビジネスの採算例》

  

さらに低予算で開業したいということであれば、「コンセッション・トレーラー(concessions trailer)」と言って、マイカーでも牽引できるサイズのトレーラーショップ(移動可能な屋台)にするという選択肢もある。これならトレーラの購入費は1〜2万ドルで済ませることも可能で、商売の損益分岐点を更に下げることができる。



このように移動販売ビジネスは、開業資金の予算に応じた各種のバリエーションがあることも、新規参入者のすそ野を広げている。消費者にしてみれば、商品の内容さえ良ければ、移動店舗のグレードというのはあまり関係なく、むしろエコロジーな雰囲気が漂う簡素な仕様のほうが付加価値が高くなることもある。トラックやトレーラ式の店舗ばかりではなくて、自転車にリヤカーという昔ながらの行商スタイルも、逆に小回りが利くビジネスとして人気がある。

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この記事の核となる項目
 ●米国で広がるフードトラックによる移動レストランの動向
 ●フードトラックの出店と集客モデルのイメージ
 ●フードトラックの開業プランと支援ビジネス
 ●エコの付加価値で参入する自転車行商のスタイル
 ●自転車カートによる野菜宅配の起業モデル
 ●豆腐の引き売り行商人と米ストリートビジネスの対比と是非
 ●ストリートビジネスの精神と起業の知恵
 ●ホームレスの起業を支援するストリート事業
 ●クルマを動かして稼ぐ移動販売ビジネスの失敗学と業界構造
 ●朝市に群がる消費者心理とフリーマーケット事業への商機
 ●安全志向で増えるチキン起業とパートタイムビジネスの接点


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