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  日本の葬儀は平均予算が約230万円で、高齢化が進む中では年間3兆円の市場規模がある。そこに向けて、他業界から葬儀ビジネスへの参入が急増しているが、この市場がいつまで「有望」とは限らない。その理由は葬儀のスモール化と価格崩壊が既に始まっているためだ。
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葬儀界のスモールビジネスと
急増する未亡人に向けたケア市場
written in 2010/7/25

 結婚式とは違い“お葬式”はいつ起こるかわからないため、イザという時には葬儀業者にすべて任せてしまうことが多く、詳しい料金も請求書が届いてみないとわからない。当初は150万円の見積りでも、最終的な請求額は30万円も高くなっていたというケースは珍しくない。しかし普通の人は、頻繁に喪主になることはないため、値切ることもなく料金を払っているのが通例だろう。

最近では、互助会への入会という形で、事前に毎月の積み立てを準備をするケースも、全体の4割近くにまで増えているが、これは何年も前から葬儀料金の前払いをしているに過ぎないため、積み立ての途中で、他の業者に乗り換えようとすると解約手数料で元金がマイナスになったり、長年の会員でも積立金だけで葬儀の全額は賄えない契約になっているなど、満足度の高いシステムとは言い難い面がある。

葬儀の一切を任せるのは、大手業者のほうがパッケージ化されたサービスで便利だが、できるだけ安い予算で、故人や家族の希望に添ってカスタマイズされた葬儀をしたいのであれば、中小業者のほうが親身な対応をしてもらえる。

全国には約4千もの葬儀社(事業所)があり、1事業所あたりの従業員数は12名で年間170件の葬儀を行っている。1件あたりの売上高は 120〜150万円だが、この単価は年々下落していく傾向にあり、今後は葬儀一式の請負で 100万円以内ののコースが主流になっていくとみられている。

《葬儀業者の経営指標》

  

公正取引委員会が行った調査によれば、故人が亡くなる前から葬儀業者を決めているのは全体の4割で、その他の6割は亡くなった後に業者を決めている。しかし、葬儀を行うまでに時間的な余裕は無いため、施主が複数の業者を比較検討するのではなくて、“信頼できる筋”からの紹介によって決めているケースが大半である。自前の互助会組織などを持たない中小の葬儀業者は、これら紹介ルートからの受注が生命線になっている。

《葬儀の主な紹介ルート(複数回答)》

  

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この記事の核となる項目
 ●提携と再編が進む葬儀業界の構造
 ●イオンが参入する葬儀ビジネスの仕組み
 ●脱宗教化する故人供養の方向性
 ●遺族の悲しみを癒すグリーフサービス
 ●デジタル社会における新たな故人の供養スタイル
 ●故人メモリアルサイトの仕組みと収益構造
 ●1千兆円の遺産マネーを争奪する相続対策ビジネスの行方
 ●ホームページを集客の要とする葬儀業者の工夫とオンライン戦略
 ● 亡くなった後の遺志を残すオンライン遺言サービス


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JNEWS LETTER 2010.7.25
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