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クリエイターの仕事が「資産」として
価値を高めていく新潮流 |
written in 2005/4/27
カメラマンやデザイナーなどフリーランスのクリエイター職への憧れは根強いが、彼らの実際の収益は華やかなイメージとは異なっている。会社に所属しないカメラマンやジャーナリスト、デザイナー達の収益は、クライアント企業(出版社、新聞社、広告会社、ラジオ・テレビなど)から発注された仕事を請け負う形で成り立っている。仕事一本毎の取引となるために、仕事が途切れてしまえば収入も途絶えてしまう。
仕事一本あたりの単価は各クリエイターの能力や知名度によってもピンキリだがフリーカメラマンが雑誌の写真を撮影する場合ならば、1ページあたり1万5千円〜3万円といったところ。しかもその仕事が毎日続く保証はなく、カメラ機材などの設備負担も大きいために、それで生涯にわたって生計を立てていくことはなかなか難しい。
デザイナーの仕事についても同様のことが言える。商用ポスターや折込み広告の制作を担当する広告デザイナーは、広告代理店や印刷会社からの発注によって仕事を得ているが、仕事一本あたりの単価は数千円〜数万円のものが主流。近年ではイラストレーターやフォトショップといった高性能グラフィックソフトが普及したことにより、逆にデザイン料の単価は下落して、プロのデザイナーが高いギャラを稼ぐことは次第に難しくなっている。
彼らに共通しているのは、クライアントから仕事を請け負う方式で報酬を得ているために、自分の仕事を“資産”として残すことができない点である。一方年収1億を超えるようなトップクリエイターになると、自分の仕事はすべて資産として積み重ねられている。これはたくさんの不動産を持つ大家が、自動的に毎月安定した家賃収入を得られるのと同じ構造である。
クリエイター職にとって、自分の仕事(作品)を資産として収益化することは究極の目標であり、これまでは業界の頂点に立つ人達のみが、その道筋を築いていたが、新たな著作権管理の技術よって一般のクリエイターでも実現することが可能になりつつある。これによって年収3百万円のデザイナーが年収1千万円超を達成することも夢ではなくなる。
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JNEWS LETTER 2005.4.27
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