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読者側から見た
メールマガジンの評価基準とは

 メールマガジンの有料化にともなう価格設定では「有料化・価格設定に対する2つの視点」で説明したとおりメール運営者側の視点では

★「最低限必要な年間経費総額÷予想購読者数」
※予想購読者数は無料購読者数の2割以下で設定

で算出することを説明した。

 現在、数あるメールマガジンの中では無料購読者数が2万人を超えるものも多数存在しているから、「運営者側の視点」だけで有料化の法則が成り立つならばメールビジネスにも非常に明るい未来が見えてくるが、実際には「読者側の視点」で再度料金体系を煮詰める必要性がある。


読者側の視点

 無料メールマガジンが2000誌を超えWeb上でも有意義な情報が数多く閲覧できる「情報供給過多」の時代においてメールマガジンの有料化は間違いなく読者主導の「買い手市場」である。つまり価格設定の主導権は運営者側ではなく読者側にあると考えるべきだ。

 その中で読者側が希望する価格設定と運営者側が経費計算をベースに算出した価格設定とが近いラインにあるようなら有料化は成功するだろうし、両者の価格の間に大きな開きがあるようなら「再考の余地あり」となる。

<アンケートの重要性>

 JNEWSへの事業相談の中でもメールマガジン運営者から有料化するべきかどうかの質問が多く寄せられているが、この様な場合にはJNEWSに聞くよりも自分の読者に「アンケート調査」として尋ねることが最善の策となる。

 アンケートで確認すべき項目概要としては
  1. メールマガジン自体の評価
     読者がどんな印象を持ちながら記事を読んでいるのかを把握する。
    (コンテンツの質、量、配信回数などについて)
  2. 有料or無料の評価
     「無料メールマガジンとしては良くできているが有料メールマガジンとしての価値は低い」「これぞ有料化にふさわしいメールマガジン」というような読者側の率直な意見を吸収する。
  3. 運営者側料金設定の提示と読者側の評価
     運営者側が設定した料金体系に対する読者側の感想や意見を吸収する。この中で「500円なら買わないが300円なら買う」などの具体的な意見は非常に貴重である。
  4. 購読の意志がどの程度あるのかのリサーチ
     有料化以降購読するかどうかの質問に対して「はい」「考え中」「いいえ」の三択が読者としては答えやすい。

 メールマガジンの有料化計画に対しておおよそこれだけの情報が読者側からフィードバックされることでかなりのリスクを軽減することができるわけだ。特にその中でも「購読の意志」の確認は有料化するか否かを決断する際には大いに役立つ。

 回答が「はい」「考え中」「いいえ」の三択方式で「考え中」の比率が一番高いのはどのアンケート結果にも見られる特徴だが、大切なのは「はい」と「いいえ」との比率である。「はい」が「いいえ」よりも多ければ、それは概ね有料化は読者側に受け入れられていると考えてよいが、「いいえ」回答の比率が多いようならば有料化を成功させるのは難しい。

 電子メールでのアンケート調査の場合、配信総数に対する回答率は20〜25%程度が平均値だが、回答を返してくれた読者達はどちらかというと、そのメールマガジンをしっかり読んでくれている好意的な読者層である。その人達が「いいえ」回答を高比率で返してくるということは、配信総数の中では「いいえ」の意志を持っている人がかなりの割合を占めていると考えたほうがよいだろう。


読者の評価基準

 読者からのアンケート回答数がまとまることで大筋での方向性がみてくるはずだ。いい加減に回答しがちに思えるアンケート調査だが、おこなってみるとその信憑性は意外と高いことに気付くはず。まるで読者同士で打ち合わせをしたかのように似通った回答結果が多数存在することも珍しくないが、その共通した傾向が確認できた地点が「買い手市場」の核心だと考えても良い。

<メールマガジンとしての評価>

 そしてインターネットユーザーの情報コンテンツの価値判断には幾つかの法則が存在する。まず一つ目はメールマガジンとしての料金相場だが、これはインプレスの「INTERNET Watch(月額300円)」が現在のプライス・リーダーシップをとっている。読者の多くは「INTERNET Watch」との間でコンテンツの質、量などを比較して他のメールマガジンの評価と妥当な購読料金のラインを判断しているが、これがかなりシビアな視線である。

 しかし「コンテンツの量(情報量)」に関しては「INTERNET Watch」では多すぎると言う意見もかなり聞こえてくるために情報量を増やすことで購読料金を割高に設定することには無理がある。やはりそれよりも「グレードの高い情報」で勝負するのが賢明な戦略だが、そのためには購読者層を絞り込んだコンテンツの書き方を実践していく方向性になるのだろう。

<紙媒体との比較評価>

 有料メールマガジンのライバルは紙媒体の新聞、雑誌メディアだという認識も持っておく必要がある。消費者の立場で考えれば「求めている情報」が入手できるのであれば、電子メールで購入するのも紙媒体で購入するのも価格が同じであれば差ほど変わらない。

 具体的な例で考えてみると
 紙媒体の新聞の月間購読料金は平均3000円であるから日割りして考えれば1部の情報料は100円ということになる。これと有料化を目指すメールマガジンとの1回配信分の料金設定とを比較検討してみることが大切。

 現状のメールマガジン市場の認知度からすれば新聞の情報コストパフォーマンスより悪化させた価格設定をするのは難しいだろう。現実にJNEWS LETTER有料化の際には読者から「新聞1部100円の情報料に対しJNEWS LETTER1部50円の情報料ならば妥当なバランスなので購読するが1部100円ならば購入しない」というご意見をいただいたこともある。

<優位性の創出>

 「情報の量」に関していえばメールマガジンは紙媒体の新聞・雑誌には及ばないし、たとえ近づけたとしてもパソコン画面上で長文を読むのに適していないために、読者側からも歓迎されないだろう。

 そこでメールマガジンの優位性をアピールするのであれば「情報の速さ」に照準を合わせるべきである。メールマガジンの中でもパソコン関連コンテンツの人気が高い背景には雑誌が最新号でも1ヶ月前の製品情報しか出せないのに対して、メールマガジンなら翌日には最新情報が入手できる「速報性」というメリットが存在している。

 もう一つ効果的なのは「メールマガジンで読む優位性」を作ること。例えば「メールマガジン=デジタルデータ」であるためにデータベースへのデータ蓄積やその他の手法でデータ加工が容易におこなえる事は紙メディアにはないメリットだ。しかし利用者側のデータ2次活用をコンセプトにおいたメールマガジンは今のところあまり見あたらない。「メールマガジン=読み物」という視点から少し外れて「デジタルデータとしての情報コンテンツ」のあり方で攻めるのもおもしろいだろう。


 


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