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有料化・価格設定に対する2つの視点

 インターネットの本屋さん『まぐまぐ』に登録されているメールマガジンの数は2015誌にまで増加し読者登録総数が150万人を超えている。過去のプレスリリースによると読者登録総数が100万人を突破したのが97年12月8日のことだからメールマガジン市場の急成長ぶりには驚かされるばかりだ。

 これほどのメールマガジンが乱立し始めると次に来るのは間違いなく「淘汰」である。現実にメールマガジンを創刊したものの定期配信が滞り休眠状態に入っているサービスも相当数にのぼるのではないだろうか。

 メールマガジンを継続して運営するに当たり誰もが悩むのが「コンテンツ(記事)の制作」である。旗揚げ当初は意気揚々と身の回りにある得意分野の情報ネタを書き綴ることで読者からの評判も良く、順調に配信をかさねることができるが、特別な情報網を持っている人でない限りは6ヶ月を経過したあたりで掲載する内容にマンネリ感が目立ち始め、書く側も読む側も飽きてしまうというのがよくある流れだ。

 このマンネリ感をコンテンツから排除させるためには自分の身の回りネタのみに頼ることから脱却してメディアとしての取材活動やブレーン作りをおこなう必要性があるが、そうなった段階で必要経費が重くのしかかるようになる。この壁を乗り越えるか否かがメールマガジン運営をビジネスとして取り組むかどうかの分岐点となる。

 JNEWSでは昨年からメールマガジンのビジネス化には「広告収入型」よりも「有料購読型」で安定した活動費を調達したほうが賢明であるとの見解を示しているが「有料化」を成功させるためにはいくつかの問題点をクリアーしなければならない。


いつ有料化するのか

 有料メールマガジンを立ち上げるにしても、創刊当初から有料制にするべきか、ある程度の無料配信期間をおいた後、有料制にするのかという問題だが、考え方としては提供コンテンツの信頼性やブランドが消費者に定着している著名作家や大手出版社・新聞社以外は無料配信期間は至って重要である。

 JNEWS LETTERの場合には96年5月の創刊から約1年間の無料配信時代を積んだが、その期間中に読者との綿密なコミュニケーションにより「求めているニーズ」や「批判」を糧として記事テーマの絞り方、取材方法、記事の書き方等かなりのバージョンアップをおこなってきた。このある意味において「路線変更」とも言える改良は無料配信だから成し得る技で、有料配信後の大幅な路線変更は「読者離れ」という大きなリスクを背負うことになってしまう。

 この無料配信期間中に少しでもグレードの高いメールマガジン運営ノウハウを構築し、満を持した状態で有料化をかけるのが正攻法といえるだろう。


価格設定について

 毎月の購読料金の設定についても大きく頭を悩ませる問題だ。メールマガジンは無形の情報コンテンツであるためにいくらが妥当なのかというライン決めが非常に難しい。

<運営側の視点>
   運営側の考え方としては、まず年間必要経費を大まかに計算してみることから始める。プロバイダー費用、通信費、メール配信にかかる費用はそれほど多額にならないとしても問題なのは取材費と記事執筆にかかる原稿料や人件費だ。取材費やライターを中心とした人件費はコンテンツの質を高めようとすればいくらでも高くなるが、立ち上げ当初の見積額は最小の人員体制(人件費)と現状の取材コストで計算してそれから年間必要経費の総額を算出する。

 仮にこの年間必要経費総金額が600万円だとすれば、これを有料開始時の予想購読者数で割れば1人あたりの年間購読料金が算出できるので、これを月割りして月間料金をはじき出す。

 年間経費総額600万円÷予想購読者数1000人=年間購読料金6000円                             ↓
            ◎月間購読料金=6000円÷12ヶ月=500円

 つまり「有料開始時の予想購読者数×購読料金」の数式がメールマガジンビジネスの損益分岐点となり、それを上回った購読者分が利益額となるので、その額に応じて設備投資をしたり取材ネットワークの拡充をしてコンテンツの質を高めることができれば「有料メールマガジン」を継続運営していける見通しが立つわけだ。

 そこで重要となる数値が「予想購読者数」の設定だが、JNEWS LETTER有料化の経験からも有料化直前の無料読者数の2割以下で考えておくのポイントだ。どんなに優れたコンテントであっても無料メールマガジンが乱立する中で「無料→有料」のフィルターをかけると4割、5割の購読率を勝ち取ることは難しいのが現状。2割残れば成功と考えておきたい。


<読者側の視点>
   運営側の視点でビジネス化の見通しが効く購読料金設定が出たところで、次におこなうのが読者側の意思の確認である。運営側の料金設定と読者側の評価との間に大きな差があれば、それを修正しないかぎり読者からの支持を得ることは難しい。


 


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