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  インドのエリート人材は、英語が堪能で勤勉なことから、米国や欧州の大手企業から人気があり、彼らも他国からヘッドハンティングされることを望んでいる。その目標を叶えるための努力や人付き合いは、日本人のスタイルとは異なっている。
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インド人ビジネスマンに学ぶ
仕事の向上心と海外志向の高め方
written in 2011/7/3

 インドの大手企業で働く人材は、英語が堪能なことと、ITのスキルに長けているのが特徴。インドの教育制度では、日本の大学新卒(22−23歳)にあたる年齢で、既にMBAを取得している若者が多いため、日本人にとって「インドの同僚」は、自分よりも年下でありながら、高学歴者であることを意識しておくことが、彼らへ敬意を示すことになる。

インド人の給与水準はピンからキリまでで、IT業界で働く中でも、下は月収80ドル(約7000円)だが、マネージャークラスの仕事を任されている者になると、20代後半でも月収3,000〜6,000ドル(24万〜48万円)となり、日本の同世代よりも稼いでいる。それでも、インドIT業界全体でみれば、月収が10万円あれば、かなり高給なほうである。ちなみに、インドの労働者全体でみた平均年収は、2〜3万円である。

ただし、インドの会社は金銭の報酬だけではなく、それ以外の待遇が充実しているため、簡単に日本との比較をすることはできない。オフィスでは、朝食から夕食までが無料で支給されるし、中堅以上の企業になれば、シャワー付きの仮眠室までが完備されている。そのため上昇志向が強い社員は、深夜まで残業をしてスキルアップに励んでいる。

また、役員や管理職だけでなく、一般の社員にも“お手伝いさん(雑用係)”が付くのがインドの特徴で、たとえば、コピーを取るとか、コーヒーを入れる、といった雑用を社員自らがやることはない。現地に赴任している日本人にとって、雑用係を使うことには抵抗があるが、インドで中流以上の家庭は、子どもの頃からお手伝いさんを使うことに慣れているため、それが“当たり前”のことであり、彼らに指示を出すときの態度も、威圧的であったり、逆に申し訳ないという気持ちでもなく、じつにスマートな対応をしている。

こうした背景には、いまでもインド社会にカースト制度が根付いていることがあり、職場においても、身分制度は普通に定着している。これが良い悪いということではなく、古くからの習慣であることだと理解しておくことで、インドの職場で起こる様々な状況に納得がいくようになる。ちなみに、企業で働く雑用係の月給は数千円〜1万円だが、10億人以上がいるインドでは、こうした仕事が大多数の生活を支えているのだ。

その一方で、海外を目指すインドのエリート人材には、世界の評価が高まっている。ビジネスマンを養成する高等教育機関(ビジネススクール)として「インド経営大学院(IIMs)」は国内最高峰で、アフマダーバード校、バンガルール校、インドール校、コルカタ校、コーリッコードゥ校、ラクナウー校という6校に分かれている。トータルでの入学定員が1200人に対して、受験者数は15万人にもなる難関で、その中で最もハイレベルな、アフマダーバード校の競争率は1000倍を超えると言われている。


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この記事の核となる項目
 ●脆弱なインフラを支え合うインド企業の危機管理
 ●新興国におけるビジネスエリアの役割
 ●日本と異なるインド・オフィス内の習慣
 ●日本人は異文化に馴染めるか?
 ●海外における日本食レストランのマーケット
 ●インド人ビジネスマンの向上心とカースト制度
 ●インドビジネスの特徴と注意点
 ●新興国のエリート人材が鍵を握る今後の国際ビジネス動向
 ●原子力に頼らない電力ビジネスと節電市場
 ●世界最大19億人の市場を生む、ASEAN−中国自由貿易圏
 ●ネットビジネスの現場で調達されるオンデマンド労働者の実態
 ●中国eコマース市場の取引慣習と日本業者向け代行ビジネス
 ●安価な外国人労働力を調達する日本企業の知恵と抜け道


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 ●世界の有力企業が注目するブラジル経済と2億人の消費市場
 ●世界で異なる時間習慣とビジネスパートナーとの交流スタイル
 ●円高ユーロ安を好機と捉えた欧州ビジネスの狙い方と有望国
 ●円高を追い風にしたスモール貿易の起業と有望商材の発掘法
 ●ネットビジネスの現場で調達されるオンデマンド労働者の実態
 ●国境を意識しない海外起業の可能性と国際条約ネットワーク