起業家のための成功法則
  
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  従来の企業オフィスとは異なり、フリーランスの仲間同士が仕事場を共有するワークスタイルが「コワーキング」として注目されている。家賃の負担を軽減しながら、仲間との対話で仕事のモチベーションを高められるのが利点。
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仕事仲間と共有する新たなワークスタイル
コワーキングのオフィス形態
written in 2011/2/22

 自分のオフィスを持つにあたり、できることなら広めのスペースを借りておいたほうが、後になって何かと便利なことは間違いないが、その分だけ高い家賃を払うのはもったいないし、スペースの広さに合わせて社員を増やすことで、人件費の負担が重くなってしまうのも本末転倒だろう。

しかし、オフィスの余剰スペース分が収益化できるとしたらどうだろうか。それを実現させるのが「シェアオフィス」の発想である。日本でも、起業者の創業時には、親しい会社のオフィスを“間借りする”ということがあるが、それに似たイメージで、自分のオフィスで余っているスペースを貸したい人と、間借りしたい人を仲介するサービスが、海外で幾つか出てきている。

オーストラリアの会社が運営する「Open Offices(オープンオフィス)」はその一つで、既に自分のオフィスを持っている経営者や、これから起業する人達を対象にして、オフィスのシェア(共有)を呼び掛けている。シェアすることにより、家賃や水道光熱費などの経費を折半することができるし、自分のオフィスを持つことによる、取引先への信用もできる。創業時の起業者は、できるだけ出費を抑えるために、自分の部屋を仕事場にすることも多いが、ビジネスとプライベートの切り替えをハッキリするためにも、シェア方式でオフィスを持つことのほうが好ましい、と提案している。

貸し手の希望者は、シェアできるオフィスの広さや設備の仕様(空調、トイレ、キッチンの有無、ネット環境、駐車場)などと、希望するシェア料金を登録して、借り手からの問い合わせを待つという、不動産情報サイトと同じモデルだ。

日本にあるような“SOHOオフィス”は、オフィス業者が広いスペースをブース単位に分けてレンタルしているものだが、こちらのシェアオフィスは、主に知的スペシャリスト、アーチスト、デザイナーなどのフリーランスが、自分一人で使うには広すぎるスペースを、同じ類の仕事をする人に“間貸し”するという発想。シェア料金(家賃)は、週間、月間、年間という単位で、貸し手が自由に設定することができる。

■Open Offices
  http://www.openoffices.com.au/

こうしたオフィスのシェアサービスは、アパートを共同利用する“ルームシェア”と同じ仕組みによるもので、仲介サービスの収益モデルとしては、部屋の貸し手側から「ルームメイト募集」の掲載料や広告料を徴収する方法と、借り手が支払う月々の家賃の決済を仲介業者が代行して、手数料を差し引く方法の2種類が考えられる。

《オフィスシェア仲介の収益モデル例(有料掲載型)》

  

《オフィスシェア仲介の収益モデル例(決済代行型)》

  

上図で、仲介サービスとして完成度が高いのは「決済代行型」のほうだが、元の大家(物件所有者)から賃借しているオフィスを、正式な契約に基づいてシェアすることは意外と難しいため、手続きを簡略化した仲介サービスを行いたいのであれば、有料掲載型のほうが立ち上げやすいという利点がある。

いずれにしても、欧米で広がっているオフィスシェアは、広いオフィスビルのフロアーを、他の会社と分割するのとは違って、もともと個人のフリーランスが1人で借りているスモールオフィスのスペースを、気の合う相手を見つけてシェアしたいというニーズのほうが高まっている。これには、家賃を折半したいということの他に、とかく孤独になりがちなオフィスの空間に、“社員”とは違ったパートナーを入れることで、仕事のモチベーションを高めるという目的もある。

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この記事の核となる項目
 ●余剰スペースを収益化するシェアオフィス
 ●オフィスシェア仲介の収益モデル解説
 ●欧米で増えるコワーキング・オフィスとは
 ●会員制コワーキング・オフィスの採算
 ●コワーキング・スペースの作り方
 ●事例:ITエンジニア向け時間課金制コワーキング・オフィス
 ●美容師向けミニサロンのレンタル事業
 ●法人契約を狙える郊外型テレワークセンター
 ●クラウドで育成される専門人材とバーチャルオフィス
 ●副業として家賃収入を得る大家業の実態と物件管理の業界構造
 ●マイホームをシェアすることで住宅ローンをゼロにする方法
 ●モテ男を育成する婚活市場からみた理容店と美容院の明暗
 ●米国政府が仕掛ける公務員の在宅勤務制度と新オフィス構想
 ●安い家賃で優雅に暮らすルームシェア・ゲストハウス
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