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「儲けること」より「損しないこと」で成り立つ ギャンブル理論 |
written in 2007/3/6
初めて商売をするなら誰もが「儲かりそうな商売」を探すものだ。大儲けできそうな商売ネタには多くの人が群がるというのは世の常だが、実際に大儲けしている人というのは数少ないし、そういう人は自分の儲け方を決して他人には語らないものである。世の中のどこを探しても「必ず儲かる」という上手い話にはウラがあるもので、「自分はこの商売で○億円稼いだ」という人を信じて大切な自分のお金を託したところ、まったく期待はずれで大損したという話は枚挙にいとまがない。
その反面「本当に儲けている人」は、自ら派手なアピールをしたり、誇張された儲け話に乗ることもないだろう。それは彼らが「儲けることの達人」ではなく「損をしないことの達人」だからである。商売で成功するには、自分の実力だけでなく条件やタイミングも左右されるため「必ず儲けること」はできないし、「大きな儲け」には大きなリスクがあることも彼らは知っている。だから「大きく儲けること」よりも「大きく損しないこと」のノウハウ作りに注視したほうが賢いという考え方である。
それをギャンブルの世界でみるとわかりやすい。競馬にしてもパチンコにしてもプロとして長年生業としている人はいるものだが、彼らのギャンブル哲学は至って冷静だ。ギャンブルの中で「偶然の勝ち」を期待しているのは素人で、プロの域になると、まるで数学者のような確率理論で冷静な勝負をする。計算で「必ず儲かる方法」は導けないにしても、「できるだけ損をしない方法」なら探し当てることができる。ましてや「儲けることを考えている人」と「損しないことを考えている人」との勝負ならば、前者の欲に絡んだ判断ミスに乗じて後者が勝つというのは定番である。これはビジネスの世界にも当てはまる戦い方である。
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JNEWS LETTER 2007.3.6
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