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  経営者にとって借金はすべきなのか、しないほうがいいのか?その判断は意外と難しい。無借金経営は常に会社を健全な状態に保つ反面、積極的な攻勢をかけようとする際にはスピードが劣るという欠点がある。また銀行に信用を築く上でも、借金はある程度あったほうがよいという考え方もある。
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変化する無借金経営に対する価値観と
企業に与えられる信用力
written in 2006/11/19

 世界的にも類を見ないゼロ金利政策が5年ぶりに解除されて、金融機関でも金利を引き上げる動きに出始めていることは周知の通り。金利の上昇は預金者にとって利息収入の増加となり喜ばしい反面、借金を抱えている人にとっては金利の負担が重くなることを意味している。1%の金利上昇がもたらす負担増というのは2千万円の住宅ローンを 35年間で組んでいる人ならば、返済総額が約450万円も増えることを意味している。

そこで金利の上昇局面では、資金的に余裕があれば借金を前倒して完済してしまおうという話になる。住宅ローンの残債が1000万あっても、別口で貯金が1500万あるのなら、金利が上がる前にローンを完済したほうが得だという判断だ。大きな買い物をする予定が当面ないのであれば、日常の生活に支障が出ない範囲で貯蓄を切り崩しても無借金にしておいたほうが、利息の支払額では得だ。

一方、会社経営者の場合には若干の事情が異なってくる。設備資金として1億円前後の負債がある中小企業というのは決して珍しくはないが、ここ数年の好景気で1億円の余裕資金ができた場合に、借金を前倒しで完済したほうが得なのか損なのかの判断は分かれるところだ。会社が無借金の状態になれば月々の返済ノルマからは解放されて経営者は心理的に楽になることができるが、新たな事業案件が舞い込んできて次の設備投資が必要になった時には、投資に回す手持ち資金がないから新規事業をあきらめなくてはならないということがある。つまり、会社の資金繰りとしては1億円の貯金で1億円の借金を返済するよりも、「1億円の借金+1億円の貯金=2億円の手持ち資金」としておいたほうが、何かと都合が良いことのほうが多い。

そこで問われるのが「会社の無借金経営は是か非か」という議論である。古い常識からすると、無借金経営を目指すことのほうが正論であったが、最近では無借金にこだわるよりも企業の成長率やパフォーマンスを追求することのほうが大切だという考え方も浸透していて、企業経営に関わるそれぞれの立場によって価値観は異なっている。
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この記事の核となる項目
 ●時代によって変化する無借金経営の価値観
 ●健全な借金をするトヨタ自動車の財務状況
 ●企業の信用と融資枠の設定について
 ●ローン商品の仲介をする専門家、ローンブローカーの実像
 ●売掛金の早期回収ノウハウで変わる企業の健全性と信頼度
 ●零細業者ほど高い貸出金利が設定されるリスクプレミアムの仕組み
 ●消費を牽引するローン事業の台頭と住宅ローン改革への商機


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