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  農家の手伝いをする代わりに、宿泊する場所と食事を提供してもらえる「WWOOF(ウーフ)」のファームステイプログラムは、世界的な広がりをみせており、資金の乏しい若者が旅をする手段として活用されている。
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農業体験をしながら無銭旅行をする
ファームステイ・サービス
written in 2013/2/1

 オーペアは、ホームステイによる部屋と食事の提供と、家事労働とを交換取引する仕組みだが、有機農園で働くことを条件に、農家が宿泊場所と食事を支給する「WWOOF(ウーフ)」というファームステイ・サービスの人気も高まっている。

「World Wide Opportunities on Organic Farms(世界に広がる有機農場での労働機会)」の頭文字を取った「WWOOF」の活動は、1971年に英国からスタートして、農業が盛んなオーストラリア、ニュージーランドで発展していった。現在は、世界 50ヶ国以上にWWOOF事務局が設置されており、日本にも「WWOOFジャパン」がある。

受け入れ先となる農家は「ホスト」、滞在者は「WWOOFer(ウーファー)」と呼ばれ、1日に6〜7時間、農作業や家事を手伝う(休日は週1日)。ただし、滞在費や食費も、労働に対する賃金も無償で、金銭的なやり取りは発生しない。

《WWOOFによる労力と報酬の交換取引》

 

《ウーファーが行う農作業の内容(例)》

 ○野菜の収穫、種まき、堆肥づくり、樹木の剪定、接ぎ木などの畑仕事
 ○料理の仕込み、お菓子づくりなど厨房作業
 ○家畜の餌やり、畜舎の清掃作業
 ○有機小麦パンやワインなどの生産を手伝う
 ○毎日の食事作り

WWOOFの活動は、各国の事務局単位で独立しており、ウーファーとホストの双方が納めた年間登録費が、事務局の活動資金に充てられている。日本の場合、ウーファー(一人)は年間 5,500円、ホストは年間 8,500円という体系。

農業に必要な労働力は、季節によって異なるため、最も人手が欲しい収穫期に合わせて、臨時の人材を募集できるのも WWOOFの利点。事務局のサイト内では、ホスト側の情報がリストアップされているため、ウーファーは、滞在を希望するホストを選んで申し込みをする。ホスト側が受け入れの承諾をすれば、マッチングが成立する。

WWOOFは、オーペアやワーキングホリデーとは異なり、国から専用のビザが発行されないため、あくまで旅行や短期ステイの手段として利用されている。宿泊先だけを、無料、または安価に提供してもらうのであれば、2012.3.18号で紹介した「CouchSurfing(カウチサーフィン)」や「Airbnb」を利用する方法もあるが、農作業を通して、農場や地元の人達や、同じウーファーの仲間とも交流を深められるのが、WWOOFの魅力である。


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この記事の核となる項目
 ●お金が無くても留学できるオーペアプログラム
 ●農業体験をしながら無銭旅行ができるスタイル
 ●進化する労働と現物報酬の交換取引について
 ●ソーシャル・コンシュマーが次々と生み出す新サービス
 ●シェアエコノミーにおけるエリート層の輪郭
 ●シェアリング経済が築く新たな信用社会の特徴
 ●節税目的で広がるフリーマーケットとフェイスブック上の副業
 ●消費税引き上げを追い風に飛躍する個人間ビジネスの成功法則
 ●安全コストを意識したカーシェアリング事業の採算と転換期
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