企業の良い評判、悪い口コミは従業員が発信源となってSNSに拡散されるケースが増加。そこで社内の信頼関係を再構築して、従業員エンゲージメントを向上 させる仕組みが注目されている( JNEWSについて
社員との信頼関係を再構築する従業員エンゲージメント

JNEWS
JNEWS会員配信日 2019/6/14

 ネットで投稿される良い口コミや評判が、人気商品を生み出し、業績の向上に結び付く傾向が年々高まっていることは周知の通り。その反対に、悪 い噂が立てば、たちまち炎上となり、ネット全体での不買運動などが起これば、会社の屋台骨を揺るがすことにもなりかねない。「火の無い所に煙は立 たない」とは良く言ったもので、炎上騒ぎが起きるところには、原因となる問題が必ず潜んでいるものである。

最近では、大企業の不正や不祥事が相次いで発覚しているが、それらの情報発信源となっているのは、自社の従業員であることが多い。日本でも、 2006年に公益通報者保護法が制定されたことで、社内に潜んでいる不正が内部告発される件数は水面下で増えている。

その一方で、会社の良い口コミを自発的に投稿しているのも、従業員である。もともと、その会社が好きで入社する者は多いため、プライベートで利 用しているブログやSNSの中で、自発的に新製品の紹介をしたり、会社が不祥事で炎上している時の火消し役になったりする従業員も、一定数は存在 している。

米国の企業広報会社、「Weber Shandwick(ウェーバー・シャンドウィック)」が、世界15ヶ国の企業を対象に行った調査では、従業員が社内の良い口コミと悪い口コミを投稿する行動形態を6つの パターンに分類している。集計によると、現代では6割以上の従業員が、個人的にSNSを活用しているが、その半数は、会社のポジティブなことしか 投稿しない、または、会社のことは投稿しない層である。

対して、会社の良い点と悪い点の両方を中立的に投稿する層(HyperActives層)が全体の7%程度は存在している。加えて、会社に抱い ている不満はあるが、SNSへの投稿はしない層も潜んでいるため、企業にとっては、彼らの悩みや不満を解消して、従業員との信頼関係(エンゲージ メント)を高めていくことが、企業の広報戦略やブランド構築としても重要になってきている。このような、従業員との新たな信頼構築は「従業員エン ゲージメント」と呼ばれ、関連のツールやプラットフォーム開発の市場が伸びている。

《従業員のSNS行動パターン》

  • ProActivists(21%)
    会社に対する満足度は非常に高く、SNSでも会社にとってポジティブとなる行動や発言を積極的に行う層
  • PreActivists(26%)
    会社の満足度は総じて高いが、ProActivists層ほど積極的な行動はとらない。SNSの利用率は低い。
  • HyperActives( 7%)
    会社に対して満足している面と不満とが半々。SNSの利用率は高く、仕事の不満も投稿している。
  • ReActivists(11%)
    会社に対して満足度は平均的。職場環境に対して厳しい目を持ち、SNSの利用率も高い。
  • Detractors(13%)
    会社(雇用主)に対する不満は高いが、SNSの利用率は低いため、会社の対外的なダメージは抑えられている。
  • InActives(22%)
    会社のモチベーションは低く、具体的なSNSへの行動も起こさない

THE WORKFORCE ACTIVISM SPECTRUM(Weber Shandwick)PDF

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・エリート人材の中に起きるバーンアウト症状
・世界で最も低い日本の従業員エンゲージメント
・日本の従業員エンゲージメントが低い理由
・エンゲージメントの向上策とツール開発の動向
・エンゲージメントを高める社内動画プラットフォーム
・従業員インフルエンサーの起用と育成の着目点
・従業員SNSアカウントとの連携による企業ブランドの構築
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・SNS動画によるインフルエンサーマーケティング展開方法
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