著作権消滅作品を発掘するコンテンツビジネスの立ち上げ方
JNEWS会員配信日 2018/4/25
ネットでは様々なコンテンツが資産としての価値を持つ。個人が書いた原稿、音楽、写真、映像などは、魅力的な内容であればアクセスが集まり、収益化の道が開ける。
たとえば、YouTuber(ユーチューバー)として面白い映像を作ることができれば大量の視聴者が集まり、チャンネル登録者数が100万人を超す人気ユーチューバーの年収は1億円を超してきている。ただし、これは限られた才能であり、誰もが面白いコンテツを作れるわけではない。そこで、合法的に他人のコンテンツを二次使用する方法がある。
これは、著作権の保護期限が消滅した昔の作品に着目したもので、「パブリックドメイン」と呼ばれている。著作権の保護期間は、各国の法律によって規定が異なっているが、名作映画の「ローマの休日」や「風と共に去りぬ」は、既に保護期間が終了したパブリックドメインという解釈がされて、格安のDVDが販売されたり、YouTubeにも映像が投稿されている。YouTube側でもパブリックドメイン作品の投稿については容認している。
※1953年に公開された映画「ローマの休日」
映画の著作権保護期間は、2003年までの作品は旧著作権法により、上映公開から50年間(2007年以降の作品は70年間に改正)となっているため、1953年以前に公開された映画は“パブリックドメイン”として、コンテンツの再利用が可能という解釈がされている。
《パブリックドメイン映画の一例》
・西部戦線異状なし(米国:1930年)
・風邪と共に去りぬ(米国:1939年)
・ローマの休日(米国:1953年)
・カサブランカ(米国:1942年)
・青い山脈(日本:1949年)
・地獄門(日本:1953年)
・東京物語(日本:1953年)
・君の名は(日本:1953年)
ただし、映画の権利関係は難しく、パブリックドメイン作品と認識して利用した後に、権利者から訴訟が起こされることはよくある。そのため、現在の版権を保有している会社の有無や、出演している俳優や音楽の権利が残存していないか等のリサーチを行うことは重要だ。また、50年以上の映像は画質も劣化しているため、そのままでは“現代のコンテンツ”として魅力的ではないし、オリジナリティの面からも、他の投稿者よりも優位に立つことはできない。
その点では、映像よりもシンプルに改変ができるパブリックドメインのコンテンツを発掘することも有意義である。具体例として、作者の死後50年間が経過した書籍はパブリックドメインとして、再利用が可能だ。それをスマートフォンで視聴できるオーディオブックにリニューアルすることが、海外では個人のスモールビジネスとして熱くなっている。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・パブリックドメインからの売れ筋コンテンツ発掘
・パブリックドメインを元にした自己啓発コンテンツ
・日本とは異なる海外の情報商材販売モデル
・情報商材による経営コンサルタントの集客方法
・YouTubeと連携したオーディオブックの配信ビジネス
・ナレーションで異なるオーディオブックの制作原価
・新たなリスニング習慣を作るオーディオブック
・音声朗読と旅行サイトで在宅起業が可能な副業テーマ
・教育現場をデジタル化するEdTechと電子デバイス市場
・AI時代に進化する著作権の価値とデータマイニング
・コンテンツ盗作発見システムへの需要と著作権の収益化
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2018.4.25
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