ベッドのマットレスがeコマースに適した商材であることを実証したのが「Casper」。高品質で安い価格設定、宅配便で発送しやすい梱包方法と返品保証を付けることで、20~30代の若い世代の顧客層を開拓している(JNEWSについて
寝具業界を変革する新興マットレス企業のビジネス

JNEWS会員配信日 2017/12/9

 人間にとって睡眠は最も重要な時間でありながらも、ベッドのマットレスには無頓着な消費者が多かった。それでも、マットレスの価格は高くて、体に合わなくても容易に買い換えることができない。これが不眠症の原因にもなっている。

従来、世界の高級マットレス業界は「SIMMONS(シモンズ)」と「Sealy(シーリー)」という2大メーカーが独占しており、数十年にわたって、流通経路や高価な価格設定が維持されてきた。そこに変化が起き始めたのが、スプリングコイルが入っていない、反発性能が高い素材のマットレスが普及しはじめたことである。


スプリングレスのマットレスは、軽量で梱包がしやすいため、オンラインでも販売することができる。そこに着目したのが、2014年に米ニューヨークで創業した「Casper」というスタートアップ企業で、深い睡眠に最適な反発性能を追求したマットレスを独自に開発して、大手メーカーのおよそ半額にあたる550ドル(シングルサイズ)の設定でオンライン直販している。

マットレスをオンラインで購入できるサイトは他にもあるが、大きな荷物になるため送料だけで100ドルを超してしまうのが欠点。しかし、Casperでは梱包方法にも工夫を凝らして、マットレスを圧縮してコンパクトなボックス(54×54×104センチ)で発送できるようにした。これは、自転車による宅配サービスでも運べるよう設計されたもので、送料は無料、100日間の返品保証まで付いている。

Casperのマットレスは、商品アイテムが絞り込まれており、自分に合うマットレスの堅さに悩むことがなく、ネットで手軽に注文できる(体に合わなければ返品すればよい)ことが消費者にとってもわかりやすい。また、届いた商品の箱を開封するアンボックス動画が YouTubeに投稿されやすいことも追い風となり、 20~30代の若者から口コミが広がっている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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