電気自動車(EV)を普及させる仕掛けとして、エンジン車の販売台数が多いメーカーへのペナルティ制度が強化されている。米国ではZEVクレジットにより、EVメーカーは販売台数が少なくても報奨金が得られる仕組みが各州で導入されている。
EV革命を加速させるZEVクレジット取引の仕組み

JNEWS会員配信日 2017/9/27

 世界でガソリンの需要が生まれたのは、自動車が発明された1900年以降のことである。それ以前は、照明ランプの燃料として使われていた「灯油」のほうが需要は大きく、石油の精製過程でできるガソリンは厄介な存在でしかなかった。モータリゼーションによる経済の発展を支えてきたガソリンの歴史も、振り返ると100年程度しかない。

そして、自動車の動力源は、化石燃料から電気へと急速にシフトしようとしている。欧州では、2025年から2040年頃までにエンジン車の販売を全面的に禁止する政策を発表する国が相次いでいる。それに伴い、電気自動車(EV)の開発が一気に進むことは確実となった。

米国でも、自動車の動力革新を進める動きは加速している。カリフォルニア州では、排出ガスを一切出さない自動車を「ゼロエミッション・ビークル(ZEV)」と定めて、自動車メーカーの総販売台数に対して一定割合(2017年は14%)の無排ガス車を売らなければならない義務を課している。その義務をクリアーできないメーカーは、州に対して罰金を払うか、目標をクリアーしているメーカーから余剰クレジットを購入しなくてはいけないルール(ZEV規制)になっている。
2018年からは、さらにクリアーすべき規制比率が高くなる。

このZEV規制は、他の州にも採用されはじめており、米国でエンジン車の販売台数を伸ばしても次第に儲からなくなる仕組みだ。反対に、テスラのようなEV専業メーカーにとっては追い風で、同社はZEVクレジットの譲渡だけで莫大な資金を得ている。


 ※出所:2015 Zero Emission Vehicle Credits(ca.gov)

トヨタはこれまで、ハイブリッド車の販売によって ZEVクレジットを貯められる立場にあったが、2018年からはハイブリッド車がZEV対象車から除外されるため、状況は厳しくなる。他の自動車メーカーでも、エンジン車から電気自動車(EV)への移行が遅れることは死活問題となり、今後は次々と電気駆動の新型車が発表されてくる見通しだ。


※テスラが発売予定の「Tesla Model 3」


エンジン車のランニングコストは、毎月の走行距離と燃費(km/L)、その時の燃料相場によって決まるため、ドライバーの努力で節約できるポイントは、燃費が良くなるエコ運転を心がけるしかない。しかし、EVに充電する電気は時間帯や充電場所によっても料金が異なるため、ドライバーはできるだけ安く充電できる方法を意識するようになる。

そこに向けては、自動車業界に限らず、住宅、小売業、観光など広い業界において変化が起きることは必至で、様々なビジネスチャンスが生まれている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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