出張旅行者を取り込むB2B民泊サービス
JNEWS会員配信日 2017/5/11
個人売買によって不用品を取引したり、所有する物はできるだけ減らして、必要な時にレンタルや共有すれば良い、という価値観は、若い消費者を中心にして急速に広がり、オンデマンド経済の商圏を拡大している。全米技術対応調査(NTRS)によれば、2015年10月の時点で、米国では、何らかのオンデマンドサービスを利用する消費者の数は2,240万人で、576億ドル(約6兆円)の個人間取引を行っている。
その内訳は、オークションやオンラインマーケットプレイスを通した個人売買が最も多くて 355億ドル(61.3%)だが、残りの40%近くは、カーシェアリングやライドシェリング、買い物代行、家事代行などのホームサービスと、用途が多岐に広がっている。
いまのところ、オンデマンド消費者の年齢層は若く、世帯年収でも5万ドル未満が46%を占めているが、その一方で、年収10万ドル以上の層も22%あることから、これからは年収に関係なく、オンデマンドサービスの利用者は増えていくことが予測できる。それに対応した、新サービスが次々と登場してきている。
しかし、類似の仲介プラットフォームが増えたことで、既に飽和状態に陥っているカテゴリーもある。個人間(CtoC)のオンデマンドサービスは、取引単価が低いのがネックで、継続的な利用が見込めないと、プラットフォームを維持していくことが難しい。その点では、企業向け(BtoB)のオンデマンドサービスは、未開拓の領域が広く残されており、取引単価も高くて、高収益が見込める市場として、投資家から注目されている。
いつの時代でも、企業は限られた売上高の中で、最大限の利益を残せる“経費削減”の方法を求めているため、オンデマンドサービスとの相性は良い。
Airbnbでは、企業の出張旅行者が、ホテルの代わりとして使える物件を専門に掲載した「Airbnb Business」を、2014年から立ち上げている。海外出張の長期滞在に適した物件や、社員旅行でコンドミニアムを丸ごと貸し切るプランなどが用意されており、宿泊料金を会社の経費として自動精算できる決済システムも用意されている。
旅行市場全体の中でも、ビジネス出張は2~3割のシェアがあることから、オンデマンドサービスとして、そこを狙う戦略は正しい。しかも、出張旅行者は、一般の旅行者よりも信用力が高く、マナーが良い優良客である。それ以外でも、法人向けのシェアリング、オンデマンドサービスは、不動産、サービス業、製造業、医療など、広範囲にわたって開拓することが可能で、企業のビジネススタイルを根本から変革する可能性も秘めている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
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