日本の鮮魚市場は世界一の品質を誇るが、中小飲食店の仕入れはローテクなままで流通改革が進んでいない。国内で磨かれた鮮魚流通のフードテックビジネスは、海外でも通用する可能性が高い。
鮮魚から流通改革を仕掛けるフードテックビジネス

JNEWS会員配信日 2017/1/25

 人間にとって“食”は生きていく上で欠かせないのであり、美味しい食事をすることは楽しみでもある。日本の食品市場は、年間で約76兆円の規模があり、生鮮品が16.3%、加工品が50.7%、外食が32.9%という内訳だ。

25年前と比べると、食料品の流通改革は進んでいて、大手スーパーやレストランチェーンでは、国内外の食材を安く仕入れるノウハウを開拓している。複数の卸取引を経て、小売店で販売されるまでの効率性を「卸売額/小売額」で表したW/R比率をみると、平成元年には2.27だったのが、平成27年には1.51まで改善している。

しかし、食品は仕入れの効率性を追求するだけではなく、品質や安全性も重視しなくてはいけないことから、大手業者とは異なる視点のスモールビジネスとして流通改革に取り組むこともできる。たとえば、中小の飲食店に目を向けてみることは有意義だ。

日本国内には、約67万件の飲食店があるが、その8割は個人事業として経営されている店だ。大手チェーンには作れない料理で、根強いファンを持つ個人店は少なくないが、彼らは常に“仕入れ”の苦労をしている。1回に仕入れる量が少ないため、仕入れ単価は割高になってしまうことが多く、仕入れに出かける時間の負担も大きい。

特に、日本料理や寿司屋など、鮮魚を扱う店では、仕入れの時間が早朝になるため、経営者や従業員の過剰労働にも繋がっている。一日のスケジュールからみれば、中小の飲食店は“ブラックな職場”と言われても仕方がない。


飲食店にとっては、食材の仕入れにかかる手間を改善できるだけで、一日のスケジュールはかなり楽になる。また、地域の市場に限らず、全国の産地から、採れたての野菜や魚を小ロットで仕入れられるようになれば、近隣の店とは違った食材で料理の差別化を図ることも可能だ。こうした、中小飲食店の仕入れ改革は、個々の店が独自に行うことが難しいため、Food Tech(フードテック)の事業テーマになる。

海外では、数年前から食品の流通改革をテーマに掲げたフードテックの新興企業が、投資家から注目されているが、その多くは、消費者向けに安全で良質な食材を宅配しようとするものだ。しかし、小口の消費者を集客、取りまとめることには手間とコストがかかり、ビジネスとしての利益率は高くない。それよりも、安定した仕入れ注文がある中小飲食店はターゲットとして絞りやすい。

日本では、世界で最も食材の品質が重視される国であり、そこで磨き上げた食材流通のノウハウは他国でも通用する可能性が高い。その中でも、鮮魚の流通改革は日本の漁業を守る上でも、重要な役割になる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

JNEWS会員レポートの主な項目
・世界で最も難しい日本の鮮魚流通
・ロブスター漁を共有するビジネスモデル
・釣り人を協同組合にした仕入れルート開拓
・漁師と全国レストランを結ぶビジネス
・魚のブランド価値を高めるための売り方
・水産物の商品価値を高めるテクノロジー
・海洋資源と共存するためのハイテク漁業
・次世代の漁業を守る「Fish 2.0」の視点
・eフードビジネスによる中小飲食店の生き残り策
・漁師の収益体質改善と鮮魚流通を変革するビジネスモデル
・安全な野菜を求める消費者から支持される生鮮品宅配の採算
・食料不足に備えたアーバンファーム(都市農業)への着目

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JNEWS LETTER 2017.1.25
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