高齢者の住み替えをサポートするシニアリロケーション市場

JNEWS会員配信日 2016/11/19

 不動産市場では築25~30年を経過した中古住宅の売り物件が増えている。売り主の中には、高齢になり、郊外の一戸建てを売却して、交通の便が良いマンションへ引っ越すという人が少なくない。子供が独立してしまえば、広い家である必要も薄れてくる。

近年の老後プランとしては、有料老人ホームよりも、病院や買い物に行くのに便利なマンションへの住み替えのほうが人気になっている。老夫婦が2人で暮らすのに十分な間取りであれば、一戸建を売却した資金でも購入の目処が立つ。昔のように、子供世帯と同居をするのではなく、夫婦のみで暮らす老後スタイルが最近の主流である。

《65歳以上の夫婦のみで暮らす世帯の推移》

・1980年……137.9万世帯
・1990年……231.4万世帯
・2000年……423.4万世帯
・2005年……542.0万世帯
・2010年……619.0万世帯
・2012年……633.3万世帯
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※出所:平成26年高齢社会白書

老夫婦のみの世帯は、やがて二人が亡くなれば空き家となるため、相続した身内が、中古住宅のままか、建物を壊して更地として売却する流れになる。これからの不動産業界では、こうしたマイホーム環境の変化に対応したサポートが必要になってくる。

「核家族」の家族形態が急増しはじめたのは、1960年代頃からのことだが、核家族には寿命があり、その期限は、結婚してから夫婦が亡くなるまでの60年前後とみるのが妥当だろう。その中で、マイホームの住み替えは以下のようなサイクルになっている。

《核家族のマイホームサイクル(昭和~平成》

○第1期:男女の結婚………賃貸アパートからスタート

○第2期:子供の誕生………郊外の戸建住宅を購入(住宅ローン)

○第3期:子供の独立………生活に便利な小さなマンションに住み替え

○第4期:老夫婦の死………住んでいた家の売却(相続人:子供)

この図の第1~2期にかけては、従来の不動産業者が得意としてきた市場だが、3~4期については、新たな接客ノウハウが必要となり、大手よりも個人の不動産業者のほうが適している面がある。これから、高齢者の住宅売却が増えてくることは間違いないが、家を売ることを決断した経緯や、その後の人生計画はそれぞれ異なり、個々の相談対応やサポートが求められる。

老夫婦が亡くなった後に、家を売却するケースでも、遺言や相続が絡んでいるため、従来の不動産業だけではカバーできない専門知識も必要になってくる。その点では、不動産仲介を軸として、高齢者の生活支援や終活、相続までのサポートをするスモールビジネスは成り立ちやすく、特に50代以降の起業テーマとして適している。高齢者の心情が理解できて、手厚いサポートができるのは、若者よりも、彼らに近い世代のほうが適しているためだ。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です記事一覧 / JNEWSについて

JNEWS会員レポートの主な項目
・高齢者の住み替えをサポートする新職業
・米国で急成長するリロケーションとは
・シニアリロケーションの起業モデル
・シニアリロケーションの業務内容について
・リロケーション・マネージャーのビジネスモデル
・日本での住み替えマネージャー起業
・日米で異なる遺品整理業の捉え方
・米国における遺品整理ビジネスの特徴と仕組み
・眠れる高齢者資産の引き継ぎ方
・モノへの依存から脱却するミニマリスト向け不用品売却サービス
・シニアの経験を活用したフェローシップとシニア起業の着眼点
・ライフスタイルで変化するマイホームの価値観と売買スタイル
・急増する空き家対策ビジネスとセカンドハウス投資との接点
・人生の最終章をサポートする終活専門職としての独立開業

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JNEWS LETTER 2016.11.19
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