JNEWS会員配信日 2016/4/4
家計調査の統計によると、一般家庭が年間に支払っている電気代は、4人世帯の場合で約14万円。普段はあまり気にしていなくても、年間の負担額としては馬鹿に出来ない金額である。しかし、2016年4月からは、電力の小売全面自由化により、複数の電力会社を比較して、最も条件の良い契約に乗り換えることで、電気代の節約ができるようになった。
電力の自由化は、世界的にエネルギー事業の規制緩和が進む中、日本でも、2000年から、大規模な工場など、大口の需用者向けから段階的に行われてきたものだが、いよいよ今年からは、一般家庭や個人商店など、小口の需要者向け(低圧電力)にも適用となり、電力市場の完全な自由化が実現する。
日本の電力市場は、「特別高圧」「高圧」「低圧」という3種類に大別されている中で、低圧電力の契約件数は最も多くて、事業者と一般家庭を合わせて 7,630万件という規模になる。
《国内電力市場の内訳と契約シェア》
●特別高圧(契約電力:2,000kW以上)←2000年4月に自由化
・電力量シェア……約27%
・契約件数…………約0.9万件
・主な契約先………大規模工場、デパート、オフィスビル、病院、大学など
●高圧(契約電力:50kW以上500kW未満)←2004年4月に自由化
・電力量シェア……約37%
・契約件数…………約74万件
・主な契約先………中小規模の工場、中小ビル、スーパーなど
●低圧(契約電力:50kW未満)←2016年4月に自由化
・電力量シェア……約36%
・契約件数…………約7,630万件
・主な契約先………町工場、地域の商店や事務所、一般家庭
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※出所:電気事業連合会
「低圧」に該当する電力の市場規模は 約7.5兆円で、そこを狙った新電力会社(特定規模電気事業者:PPS)は各地域で続々と立ち上がっており、資源エネルギー庁に届け出している業者の数は、2016年3月の時点で約800社となっている。
■特定規模電気事業者(PPS)の一覧(資源エネルギー庁) http://goo.gl/ensplO
ただし、届け出をしても、営業を開始していない会社も多数あるため、事業を軌道に乗せられるのは、1割弱ではないかとみられている。この中には、自前の発電設備は持たずに、他社から調達した電気を自社ブランドで売る事業者(ホワイトラベルという)も含まれる。それだけ「電気の契約」には魅力があるためだが、一番の問題となるのは、新電力会社がどのように、既存の電力会社(東京電力や関西電力など)から契約を奪うのか、という方法である。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です→記事一覧)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●新電力会社代理店ビジネスの業界構造
●加熱する新電力の乗り換えマーケティング
●電力契約乗り換えを促すスイッチングサービス
●スマートメーター普及の意味と電力業界への影響
●HEMSによる新サービスの開発と提携モデル
●節電システム開発会社のビジネスモデル
●節電ニーズが高い潜在顧客層の開拓
●自動車と住宅のエネルギー共有ビジネスと電力自由化への商機
●IoTビジネスの幕開けと家電メーカーのビジネスモデル転換
●見積もりサイトに依存するソーラー業者の集客経路
●住宅の資産価値を高めるソーラーリフォーム市場への関わり方
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2016.4.4
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