JNEWS会員配信日 2015/10/30
日本では病気になった時の健康保険制度が整備されており、国民すべてが平等な医療サービスを受けられる。しかし、医療費の総額は年々増加して、昭和45年には 2.5兆円だったのが、平成11年に30兆円、平成26年には40兆円にまで膨らんでいる。このままのペースで増加すれば、2025年には60兆円を超すという予測がされている。
国民医療費の内訳は、国や自治体が負担する公費、患者の自己負担分、健康保険組合から捻出されているが、今後の財源が不足していくのは必至の状況。特に、独立採算制で運営されている、企業の健康保険組合(健保組合)では、3分の2の団体が赤字に陥っている。そのため、会社と社員とで折半している保険料は年々引き上げられているが、それにも限度がある。
健保組合の経営状況は、不健康な加入者が増えるほど悪化するため、病気になる前の予防に資金を投じていくほうが、トータルでの医療費負担を抑えることができる。その具体策として、各種の健康診断に加えて、食生活の指導、改善をしていくことが検討されている。
そこで有望視されているのが「栄養士」を活用した健康サービスである。日本には、栄養士と管理栄養士の公的資格を取得している人が 80万人近くいるが、従来は、病院、学校、企業の給食施設などが主な就職先となっていた。しかし最近では、ダイエット専門の栄養士やフードアドバイザーとして独立することも可能になってきている。
健康サービスのトレンドとしては、複数のサプリメントを毎日飲むことよりも、食事の内容を見直すことで体質の改善や持病の治療に役立てていきたいという需要が増えてきている。そこに着目して、米国のスーパーマーケットでは、店に栄養士を常駐させて買い物のアドバイスをしたり、買い物に付き添うサービスを実施して、固定客との新たな新たな関係を築こうとしている。
米国で栄養士のことは、「dietician(ダイエティシャン)」と呼ばれ、病院では医療チームの一員として患者の栄養指導をする他、企業の健康プログラムを監修するなど、高度な仕事に関わるようになってきている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です→記事一覧)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●買い物中の栄養カウンセリングサービス
●フリーランス栄養士による食品店ツアーの仕組み
●日本での栄養指導サービス展開モデルについて
●食材の栄養価を比較するスコアビジネス
●栄養カウンセリングのプラットフォーム開発
●人件費を抑えたオフショア栄養士の活用モデル
●世界で拡大するベジタリアン市場と崩壊する日本の食文化
●カロリーデータベースを起点とした食ビジネスの集客経路
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.10.30
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